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「天才ティーンエイジャーの対決」戦前の注目度はヤマルの方が上。だが主役を演じたのはエステバンだった【現地発】

「天才ティーンエイジャーの対決」戦前の注目度はヤマルの方が上。だが主役を演じたのはエステバンだった【現地発】


 チャンピオンズリーグのリーグフェーズ、チェルシー対バルセロナが現地11月25日に行なわれた。

 これまで幾多の名勝負を演じてきた両クラブの対戦。今回は、2人の「18歳」に注目が集まった。ひとりは、バルセロナのラシン・ヤマル。もうひとりは、チェルシーのエステバンである。試合前、英BBC放送は「天才ティーンエイジャーの対決」と伝えていた。

 2007年7月生まれのヤマルは、バルセロナの下部組織出身。24年のEUROでスペイン代表の中心選手として優勝に大きく貢献し、自身も1ゴール・4アシストで大会の最優秀若手選手に選ばれた。若手版バロンドールにあたるコパ・トロフィーを24年、25年と連続で獲得し、バロンドールでも、今年はウスマンヌ・デンベレ(パリSG)に次いで2位につけた。

 一方、2007年4月生まれのエステバンは、ブラジルのクルゼイロECのユースチーム出身。21年から在籍したパルメイラスで62試合に出場し、18ゴールを記録した。

 ブラジルでの活躍とポテンシャルが高く評価され、24年6月にチェルシーへの移籍が内定した。そして今年7月、チェルシーに正式に加入した。個人賞など実績の点ではヤマルに及ばないが、エステバンもすでにブラジルのA代表でプレー済み。17歳135日でのデビューは、ブラジル代表史上5番目の若さだ。

 この2人が、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジで同じピッチに立った。両者とも、試合でのポジションは右ウイング。戦前の注目度はヤマルの方が上だったが、主役を演じたのはエステバンだった。

 18歳のブラジル人はバルセロナを翻弄した。右SBのマロ・ギュストと連動しながら、「タッチライン際の大外」と「中央エリア」を巧みに使い分け、バルセロナのSBアレックス・バルデを大いに惑わせる。3分には縦へドリブルで走ってクロスボール。24分にはスルーパスでペドロ・ネトの得点チャンスを生み出した。

 極めつけは55分の得点場面だ。ペナルティエリア外でボールを受けると、軽やかなステップでボールを前に進め、2人に囲まれながらも右足を一閃──。角度のない場所から華麗にネットを揺らした。

 83分の交代時には、興奮したチェルシーサポーターにスタンディングオベーションで迎えられ、3-0の勝利に貢献した。
 
 試合後にブラジルの神童は、ゴールについて「すべてが非常に早く起きた。気がついたらスペースが見えて、スルスルっと抜けていけた。そうしたら、あのゴールが生まれたんだ」と振り返った。さらに「正直、今の気持ちをうまく言葉にできない。完璧な夜だった。もっと多くのゴールを決めたい。間違いなく、これまでで最高の瞬間だ」と笑った。

 一方のヤマルは、苦戦が続いた。エステバンと違って大外でボールを待つ展開が続き、対峙したSBマルク・ククレジャの執拗なマークに苦しんだ。パスを受ければ、ククレジャが激しく寄せる。ククレジャが「対戦することになったら、ヤマルには激しくいく。スペイン代表のチームメイトであっても関係ない」と宣言していた通り、ほぼマンマークで決定的な仕事をさせなかった。

 67分には中盤でボールを受けたヤマルが、ククレジャにブロックされた場面も。両腕を広げてファウルをアピールする姿は、明らかにフラストレーションを溜め込んでいるようだった。そして80分に無念の交代──憮然とした表情でピッチを去った。この日、18歳の2人の姿は実に対照的だった。
 
 欲を言えば、「11人対11人」の状況で2人のプレーを最後まで見たかった。バルセロナのDFロナルド・アラウホが44分に2枚目の警告で退場。チェルシーが絶対的優位に立ったが、退場で守備の負担が増えたヤマルのプレーに大きな影響が出たのは間違いない。

 英紙『デーリー・テレグラフ』は、エステバンの活躍を次のように伝えた。

「かつてロナウジーニョやリオネル・メッシが得意としたような個人技による華麗なゴールだった。眩いほどのスキルと、鮮やかなフィニッシュだった。欧州サッカー界の階段を急ぎ足で登り始めたエステバンが確かな爪痕を残した」

 現役時代はチェルシーでウイングとしてプレーし、現在は解説者を務めるパット・ネヴィン氏もこう語る。

「エステバンのゴールは、様々な点で素晴らしかった。非常に狭いスペースだったが、足もとの技術が見事で、フィニッシュも非凡だ。だが、本当の凄みはそれ以外のプレーにある。インテリジェンス、動き方、ポジションの取り方...彼は、すべてを軽やかに、そして自然にこなす。優雅でしなやか。見ていて本当に美しい」

 この試合で、エステバンはCL3試合連続で先発し、3連続ゴールを決めた。10代でこの偉業を成し遂げたのは、過去にキリアン・エムバペとアーリング・ハーランドの2人しかいない。
 
 対するヤマルについて、『デーリー・テレグラフ』は厳しい意見をぶつけた。

「カンテラの宝石は、ほとんど影響を与えられなかった。バルセロナ全体に言えることだが、この日のヤマルは力不足だった。“自分の夜ではなかった”ことを、誰よりも本人が一番理解しているだろう」

 ヤマルを完璧に抑えたことで、チェルシーのSBククレジャもスポットライトを浴びた。ククレジャはMOMを獲得。解説を務めたウェイン・ルーニー氏は「ククレジャは素晴らしかった。最近見たサイドバックのプレーでは間違いなく最高だ。彼は本物」と絶賛。前出のネヴィン氏も「試合序盤はヤマルが優位に見えたが、その後は消えた。ククレジャは、ヤマルを“ポケットに入れて”封じた」と称賛した。

 18歳のヤマルとエステバン──。今回はエステバンが笑ったが、欧州サッカー界でこれから幾多の名勝負を演じてくれるはずだ。

取材・文●田嶋コウスケ

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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