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毎晩家にやってくる謎のネコ――首輪で“メッセージ交換”して判明した真相 2025年春にSNSをにぎわせた“あの通いネコ”のその後

毎晩家にやってくる謎のネコ――首輪で“メッセージ交換”して判明した真相 2025年春にSNSをにぎわせた“あの通いネコ”のその後

あのバズから半年以上… 通いネコの現在

保護を決めた腹よわボーイさんの家には、すでに先住ネコの「むぎ」がいた。新しくネコを迎え入れるには、相性はもちろん、病気の検査など、いくつかの段階を踏む必要がある。まずは、この通いネコのことを、むぎにちなんで「おこめ」と名付け、準備が始まった。

病院で感染症の検査やワクチン接種を済ませ、しばらくは別室での隔離生活からスタート。

家に迎え入れたおこめはどのような反応を見せるかと思いきや、とにかく物怖じしなかった。

「初日からすぐにくつろいでいましたが、よほど遊んでほしかったのでしょうか、鳴きすぎて声が魔女みたいになっていました……(笑)」

“通いネコ”時代から変わらず、とにかくおしゃべりだった性格が、そのまま家の中でもあらわれたらしい。第一のハードルである「家に慣れる」は、ほぼ無傷で突破した。

そして、最も緊張した瞬間──先住猫との対面。実は先住ネコのむぎ、おこめがまだ通いネコとして玄関に来ていた頃から、2階の窓越しに姿を眺めていたという。大きな鳴き声にも反応していたそうで、ある意味では“顔だけは知っていた”関係だった。

7月22日。2匹が実際に対面した。

「実際に対面したときには、むぎはキャットタワーの上に逃げて様子を見つつ、しばらくするとおそるおそる近づいてチューしていました」

これが、2匹の関係の始まりだった。並んで見ると、本当に模様がよく似ている。むぎの名前にあやかって「おこめ」と名付けた理由もここにある。

「2匹とも模様がよく似てて、今でも間違えそうになります」

見た目は似ているが、性格は対照的。おこめはとにかくおしゃべりで物怖じしないタイプ。対してむぎはどちらかというと寡黙だという。

こうしておこめはしっかりと腹よわボーイさんのおうちネコとなった。それから約4か月。現在の2匹の様子はというと……。

なぜこの家に「おこめ」は通いはじめたのか…

「基本的に仲良しですが、お互いマイペースなのであまりじゃれ合ったりはしませんね。たまに一緒にくっついて寝ていると微笑ましいです」

「ときどき本気の喧嘩をするときは、たいていむぎのほうが最終的に矛を納めてあげているような感じがしますが、そもそも最初はむぎの方からおこめにちょっかいをかけているような気もします。好きな女の子にイジワルをしちゃう男子のような感じでしょうか(笑)」

“好きな女の子に意地悪しちゃう男子”。その比喩が妙にしっくりきて、2匹の距離の近さが自然に伝わる。

「おこめは相変わらずおしゃべりで、寡黙なむぎと対照的です。私達夫婦が寝る時間になって部屋の電気を消すと、二人で運動会(追いかけっこ)を始めますので騒がしいです」

おこめのお気に入りのポジションは腹よわボーイさんの妻の枕の上で、寝ている妻の頭の上にいることが多く、むぎは腹よわボーイさんの腕枕で寝ているそう。だが、たまに夜中に二匹のポジションが入れ替わっていることがあるのだとか。

もはや、“家族の風景”としか言いようがない。おこめは運命に導かれるように、腹よわボーイさんの家の子になったような気がしてしまう。

ではそもそもなぜおこめは、腹よわボーイさんの家に通うようになったのか。

「特に思い当たるところはありませんが、強いて言うなら、うちはお寺でして、春先の寒い時期にお堂の床下なんかが過ごしやすかったのかもしれません」

ただ、ネコは飼い主を選ぶともいう。もしかしたら2024年の秋から、おこめは静かにいろんな家を見て回っていたのかもしれない。

そのうえで、「ここなら」と思って、春から通い始めたのだとしたら――。偶然のようでいて、どこか意図的な。そんな小さな選択が重なって、今の暮らしにつながっているのかもしれない。2025年春に話題になったあの出来事は、あのときで完結したのではなく、今もずっと更新され続けている。

取材・文/集英社オンライン編集部

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