この6年間に、どんな生活習慣やお口ケアが身につくかで、未来のむし歯リスクだけでなく、歯並び・かみ合わせ・発音・食べる力・呼吸の仕方にまで影響が及ぶことがわかってきています。
今回は、サンスター財団 歯科衛生士の平塚江玲奈さん、サンスターグループ マーケティング戦略部 ブランドマネージメントグループの菅良夫さんに、年齢別のケア方法やおすすめアイテム、子どものお口に起こりやすい“変化”について詳しく伺いました。
0〜6歳は「一生の健康」を左右する大事な時期

サンスターが0〜6歳の子どもを持つ男女1,000名に実施した調査では、「歯並び・かみ合わせ」「むし歯」「指しゃぶり・おしゃぶり」など、多角的なお口の悩みが上位に挙がりました。
平塚さんは、「小さい頃のお口ケアはまさに“将来への健康投資”。年齢に合ったケアを選び、親子で無理なく続けることがとても大切です」 と話します。
また、菅さんも、「1歳7か月〜2歳7か月の“感染の窓”は特に重要。むし歯菌が定着しやすい時期なので、家族全員でお口を清潔に保つことが大切です」と解説してくれました。
【月齢・年齢別】正しいお口ケアガイド
0〜6歳のお口ケアは、「月齢・年齢に合わせたステップ」で考えるのがポイント。ここからは、平塚さんに教えていただいた、月齢別のケアの仕方を紹介します。■生後3か月頃(歯が生える前)〜:お口に触れることに慣れさせる時期


歯が生える前から始めたいのが、「お口に触れられること」に慣れさせるケア。
ガーゼやおくちケアシートを使って、機嫌の良いときにくちびるの内側や歯ぐきまわりをやさしくぬぐってあげましょう。
平塚さんは、「お口はとても敏感。歯が生えてから急にハブラシを入れると嫌がりやすいので、まずは“お口に触れられること”に慣れることが大切です」 とコメントしてくれました。
■ 歯が生え始める6か月~2歳頃:仕上げみがき+フッ素ケアをスタート

乳歯が生え始めたら、いよいよ仕上げみがきの出番です。
むし歯になりやすいのは、上の前歯の歯ぐきとの境目、歯と歯の間、奥歯の溝。短時間でも良いので、毛先をきちんと当ててみがくことが大切です。
フッ素入りハミガキ(2歳までは900〜1000ppmFを米粒程度)を併用するのもおすすめ。吐き出せない場合は、ガーゼなどで軽くふき取ればOKです。

「仕上げみがき用の小さめヘッドのハブラシを使うと、奥まで届きやすく、短い時間でも効率よくみがけます」
と平塚さんは話します。
■ 3歳~5歳:自分でみがく“一人みがき”を練習

自分でやりたい気持ちが強くなる3歳~5歳は、「一人みがき」の練習期。
・下の歯は、毛先が自分のほうを向く「こんにちは持ち」
・上の歯は、毛先が奥側を向く「さようなら持ち」
といった、年齢に合った持ち方を練習しながら、まずは自分でみがく習慣をつけていきます。
「自分でみがいた後は、“できたね!”と褒めてから、仕上げみがきをしてあげてください。チェックとフォローは保護者の大切な役割です」 と平塚さん。
※一番左のハブラシは一人みがき用ではなく、仕上げみがき用ハブラシとなります。
■ 6歳〜:6歳臼歯を意識して、みがき残しを徹底ケア
6歳前後は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」。歯の高さがバラバラで、どうしてもみがき残しが増えがちな時期です。特に要注意なのが、最初に生えてくる奥歯「6歳臼歯」。生え始めは背が低く、歯ぐきに覆われている部分もあるため、ハブラシの毛先が届きにくいのが特徴です。
「6歳臼歯は、ハブラシを横から入れるようにして、奥までしっかり毛先を届けるのがポイント。みがき残しが増えやすい時期なので、このタイミングでも保護者の仕上げみがきは続けてください」 と平塚さんはアドバイスします。
