
『もののけ姫』ポスタービジュアル (C)1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND
【画像】え、「どんなビジュアルに…?」「想像つかん」 サンとナウシカを務める役者を知る(3枚)
スーパー歌舞伎でどう表現されるのか?
スタジオジブリの名作アニメ映画『もののけ姫』が、2026年夏に「スーパー歌舞伎」として初上演されることが発表されました。主人公の「アシタカ」を市川團子さん、「サン」を中村壱太郎さんが務めます。このニュースはSNS上で瞬く間に拡散され、「未来志向の挑戦だ」「新しい歌舞伎の形に期待」と、非常に高い期待とポジティブな反応があがっています。
しかし、熱狂の裏側で、一部のジブリファンからは「一抹の不安」も聞こえてきます。それは、多くの人にとって『もののけ姫』が持つ神聖さや、作品の根幹にある重厚なテーマが、歌舞伎の舞台で損なわれてしまうのではないか、という懸念です。
重すぎるテーマと娯楽性のバランス
この不安の根源は、原作が持つテーマの重さです。『もののけ姫』は、人間と自然の対立、環境破壊、そして「神殺し」という、容易に答えの出ない、難解で荘厳なテーマを描いています。ファンが愛するのは、この重厚で哲学的なメッセージ性です。
一方で、スーパー歌舞伎は「スリーS(スピード・スペクタクル・ストーリー)」を掲げ、従来の歌舞伎よりスピード感のある展開やダイナミックな演出、そして初見でも理解しやすいストーリーが魅力です。
特に2015年に評判だった『ONE PIECE(ワンピース)』の派手でエンタメ性の強いイメージが強いのか、『もののけ姫』の「美しいが難解」な原作のテーマが、陳腐化したり、メッセージが平易にされすぎたりしないか、と心配する声があがっていました。
懸念は「期待」へと変わる
ただ、こうした懸念は、決して公演を否定するものではありません。多くのファンは「見てみないと分からないが、ポジティブに捉えたい」という姿勢です。
実は、2019年に新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』が上演されています。このときは、映画版では描かれなかった原作のストーリーをおよそ6時間かけて歌舞伎で表現されました。歌舞伎の要素を盛り込みつつも原作のストーリーが忠実に落とし込まれており、「『ナウシカ』の世界観がしっかり再現されている」「キャストがハマり役」と評判になっていました。今回のスーパー歌舞伎『もののけ姫』にも、ファンの期待を超える演目が期待されます。
原作の重厚なメッセージを損なうことなく、いかに現代の感性に響かせ、舞台芸術として昇華させるか。スーパー歌舞伎『もののけ姫』が、ジブリファンが抱く「一抹の不安」を打ち破り、評判となるのかに注目が集まります。
