・食べてみた
まずカレーそばだけで食べてみると、甘めのつゆがカレーの味に深みを加えていてカレーそばとしては良い感じだ。問題は明らかにそれ以上の存在感を放っているフライドポテトと魚ソ天だな。フライドポテトにちゃんと塩が振られているのも良いのか悪いのか分からない。そこで魚ソ天と一緒に食べてみたところ……
恐るべきことにウマイ。いや、素材のハーモニー的な意味では極上というわけではないんだけど、ソーセージ太めの魚ソ天の衣カリッと中が食べごたえのある肉感はおかずとしてグッド。定食を頼まずとも、この魚ソ天のおかず感とカレーそばで定食が成立している。
・力こそ全て
そのインパクトに、格ゲーの小足のように炭水化物を添えるフライドポテト。1つ1つが溶け合うのではなく並ぶことで繋がっていくこの感じはハーモニーというよりコンボだ。
そばの風味なんて当然感じられない。むしろ、そんなものは元からなかったかのように押し寄せる揚げ物とカレーのパレードに分からせられる。結局、この世は力こそ全てであると!
真の姿もヤケクソさが漂っていためとろ庵の「魚ソ天カレーそば」。その暴力的な味にイカれた時代の幕開けを感じずにはいられなかった。ねじふせる。めとろ庵は26年遅れて世紀末に突入しつつあるのかもしれない。はたして、立ち食いそば界は今後どうなってしまうのか。
