
水上恒司が11月26日に都内で行われた映画「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」完成披露試写会に、木戸大聖、八木莉可子、綱啓永、中沢元紀、山下幸輝、濱尾ノリタカ、上杉柊平、萩原健太郎監督と共に登壇した。
■レッドカーペットならぬ“グリーンカーペット”にキャストたちが登場
にいさとるの漫画「WIND BREAKER」が原作の本作は、不良が街を守る、ヒーローになる、破壊ではなく、守るために拳を振るうワルたちの闘いが描かれている。けんかだけが取り柄の孤独な高校生・桜遥。不良の巣窟と恐れられる風鈴高校の“てっぺん”をとるためにやって来た彼は、同校の生徒が街を守る防風鈴=ウィンドブレイカーに変貌していたことに戸惑いながらも、防風鈴のメンバーとして戦いに身を投じていく。
主人公の桜遙を水上、けんかは弱いが情報収集能力に長けた楡井秋彦を木戸、頭脳明晰でカンフーや合気道を彷彿とさせるけんかスタイルが得意で右目の眼帯がトレードマークの蘇枋隼飛の綱、風鈴高校3年で四天王の一人“防風鈴”きっての武闘派・柊登馬を中沢、風鈴高校のてっぺんを意味する総代を務める梅宮一を上杉が演じている。そして、防風鈴を見守る橘ことは役を八木が務めた。
まずは、映画館のエントランス部分に用意された、本作のイメージカラーである“グリーン”のカーペットにキャストと監督が登場。水上は「今日はレッドカーペットじゃなくてグリーンカーペットという、何かCGにしやすそうだなって思いますけど…すごく豪華ですね」と、カーペットの色に触れて会場を和ませた。

■水上恒司「緊張もありますし、ワクワクもありますけど、ドキドキもありますね」
完成披露試写を迎えた境を聞かれ、水上は「今ですか? こんな豪華なキャストがそろっていながら、こんなに拍手がまばらで」と観客をイジりつつも、「非常にうれしいというか、緊張もありますし、ワクワクもありますけど、ドキドキもありますね。令和の今のヤンキー映画として作るにあたって、いろんな議論をしたり、みんなで考えながら作り上げた作品が、これからどんな反響があるのか。正直、ワクワクしつつも緊張もあるというのが率直な気持ちです」と答えた。
そして、「人の痛みや弱さを描き、大事に作り上げたアクション作品です。さわやかな場面もたくさんありますので、感じるままに、気楽に楽しんでください」と呼びかけ、その後は他の共演者たちと共に、サインなどのファンサービスを行った。


■木戸大聖「今まで見てきたヤンキーものの漫画やアニメなどの概念を覆す作品」
グリーンカーペットでのイベント後、キャストたちは劇場内に移動し、試写上映前の舞台あいさつを行った。
完成した作品の感想を聞かれた水上は「僕は殴り合いのけんかをした経験がないんですが、だからこそ、この映画を今この時代に届ける意味をよくよく考えながら撮影に臨みました。試写を見た時、そこを丁寧に描いたことが報われたというか、ちゃんと芯の通った作品になったと感じました」と答え、「原作を知っている方も知らない方も楽しんでいただけたらうれしいですし、どんな感想を持っていただけるのかワクワクしながらドキドキしています」と呼びかけた。
木戸は「皆さんはまだ見る前なので、この作品をヤンキーものと思われていると思いますが、今まで見てきたヤンキーものの漫画やアニメなどの概念を覆す作品です。この作品を見終わった後で『あれ? 何か違うな』って思ってもらえたら僕らもうれしいです。アクションはもちろんすごいんですが、人情の部分だったり、緩急もついている作品なので、見ていただいた後の皆さんの感想がとても楽しみです」と、本作のポイントといえる部分を語った。

■八木が守りたいものは「こたつ」
映画の内容にちなんで「守りたいもの」も発表。水上は「家族そして仲間たち」、綱は「仲間との時間」、山下も「家族」とまさに映画の内容にピッタリの回答を見せた。上杉が「健康」、中沢が「喉の調子」と体調・健康面で気を付けていることを答え、木戸は「好奇心」、濱尾は「エモーション」と内面についての答えを提示。
この中で異色の回答を示したのが八木。フリップに書かれていたのは「こたつ」だった。「こんなに真剣に書かれると思ってなかった(笑)」と、周囲の回答を見て焦った様子を見せたが、「一人暮らしの家にこたつがあって、冬はやっぱりこたつに入ってる時間が至福の時間で。時々、『一人暮らしなのにこたつがあるのか』って非難を浴びることもあって。でも、自分にとってこたつは大事なので守りたいなって」と、恥ずかしそうな表情で理由を明かした。
フリップトークで盛り上がった後、最後は水上が「令和の時代に若者たちがどれくらいけんかをしているか分かりませんが、そういう時代にこの作品を作るというのはどういうことかと考えた時に、なぜ拳を振るうのか、何かを守りたいのか、何かを示したいのか、そういった人の弱さだったり、人情を大事に作り上げた作品になっています。いろんな感想を持っていただけるとうれしいです」というメッセージを送り、水上の「この冬は!」の発声をきっかけに観客も含めた全員で「ウィンブレ!」と大きな掛け声を出してイベントを締めくくった。
映画「WIND BREAKER/ウィンドブレイカー」は12月5日(金)より全国公開。
◆取材・文=田中隆信


