●失敗しないためのチェックリスト──乗船前の準備
フェリーで快適に仕事をするための準備を5点にまとめます。
1点目は、必要なファイルを事前にダウンロードしておくこと。クラウドストレージに常時アクセスできる前提で乗船すると、不便を感じます。必要なファイルはあらかじめローカルに保存しておきましょう。
2点目は、Starlinkが使えるフェリーを予約すること。Starlinkが使えないフェリーだと、ネット環境が不十分すぎて仕事になりません。もちろん、ネットを使わずにできる作業であれば可能です。船旅の間はそういった作業に集中するという選択もあります。
3点目は、Starlinkの時間制限をどう使うか事前に決めておくこと。夜に動画ニュースを確認して情報収集し、早朝の着岸前に大容量ファイルを送信するなど、通信の使い方をある程度決めておけば、限られた時間を有効活用できます。
4点目は、ノートPCやスマホのバッテリーと予備電源の用意です。客室にはコンセントがありますが、作業場所を変える場合に備えてモバイルバッテリーがあると安心です。
5点目は、緊急の会議や納品タイミングを陸上で済ませておくこと。船内通信は安定性に限界があるため、どうしても外せない予定は避けるのが無難です。
●フェリー旅×ワーケーションは「あり」
結論として、フェリーでのワーケーションは「あり」です。今回、Starlinkの時間制限があったため、常時接続を前提とした働き方には向きませんでしたが、オフライン作業と計画的な同期を組み合わせることで、ある程度の仕事はこなせました。何より、船旅は快適で、移動時間が宿泊とリフレッシュを兼ねるため、コストパフォーマンスも優れています。一度フェリー旅を試してみてはいかがでしょうか。(マイカ・秋葉けんた)
■Profile
秋葉けんた
編集プロダクションのマイカに所属するITライター。雑誌、書籍、新聞、Web記事など、多岐にわたるメディアで執筆活動を行っている。特に家電やガジェット、IT関連の記事に豊富な実績があり、生成AIに関する書籍も多数手がけている。

