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海外産CNFを使うスーパーGT、今後は“国産E10燃料”への移行も選択肢に? 最終目標はeフューエルも道のり長く

海外産CNFを使うスーパーGT、今後は“国産E10燃料”への移行も選択肢に? 最終目標はeフューエルも道のり長く

スーパーGTのシリーズプロモーターであるGTアソシエイションは第6戦SUGOでの定例記者会見にて、シリーズで使用する燃料に関して今後様々な選択肢に目を向けていくことを明らかにした。

 2022年に環境対策ロードマップ『SUPER GT Green Project 2030』を打ち出したスーパーGTは、2023年より化石燃料を一切使用しない“カーボンニュートラルフューエル”(CNF)を導入。車種が多様なGT300クラスについてはCNF比率50%の燃料に軌道修正して翌年から取り入れられ、現在に至る。

 このCNFはドイツのハルターマンカーレス社製で、バイオ由来の非化石燃料だ。ただGTAは将来的には国産のeフューエル(二酸化炭素と水素を原料とした合成燃料)を採用することを最終目標として公言している。彼らのこの目標は今も揺らいでいないが、カーボンニュートラルに向けた有効な手段とされるeフューエルは少量を生産すること自体は難しくないと言われる一方で、コストを削減して量産体制を整えるにはまだまだ時間がかかるという見方が強い。

 そういった背景もあり、GTAはeフューエルの導入が実現するまでの間、海外製CNFから別の燃料に切り替える可能性も否定していない。motorsport.comに入ってきている話では、現行の燃料に関しては少なからず不満の声が挙がっているのも確かな様子。そんな状況も新たな選択肢の検討に拍車をかけているのかもしれない。

 奇しくも先日、スーパーフォーミュラが来季に投入する燃料として、国産のセルロースエタノールを10%混合した低炭素ガソリンの実走テストを行なったばかり。スーパーGTのCNFと比較した場合、燃料単体の環境負荷の低さはGT500で100%非化石、GT300で50%非化石のCNFに軍配が上がるが、海外産燃料は海上輸送の際に二酸化炭素の排出があることを考えると、国産の燃料にはメリットがある。

「自分は国産のeフューエルを未だに目標としていますが、そこがなかなか結びついてこない現状があります」と会見で語るのは、GTAの坂東正明代表。彼も“国産E10”には評価できる点があるとしている。

「スーパーフォーミュラがやっているようなE10の燃料に関しては、国産化がきちんとできるのであれば参考になると思っています。今の燃料は海外から船で持ってきているわけですから、たとえE10であっても国産という部分は大きいと思います」

 ただ、仮にスーパーGTが近いうちに国産E10に舵を切ったとしても、スーパーフォーミュラと同じ燃料を使うことにはならなさそうだ。一番の理由はその供給量。スーパーフォーミュラの新燃料に入っているセルロースエタノールは福島県大熊町にある次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)の施設で作られ、ENEOSがガソリンと調合しているが、その生産量は限られている。スーパーGTは参戦台数がスーパーフォーミュラの約2倍で、年間のレース距離も長い……両カテゴリーへの供給は現実的ではない。

 スーパーフォーミュラのプロモーター、日本レースプロモーションの上野禎久社長も以前「raBitさんに供給いただくセルロースは生成量が限られていますが、我々スーパーフォーミュラはスプリントレースですから、その量もある程度少なくて済みます。そういった点もありお話をいただいた」と説明していた。

 坂東代表は今後に向けてENEOSと協議をする意向であると明かした。

「福島では材料等の関係で我々の使う量の燃料が出来上がらない。その辺りはまたENEOSさんと、今後どういった形であれば一緒にやれるか話をさせていただきたいです」

「我々がE10を使うとなれば、国産で継続できるものでなければいけないと思っています。そこは今後に向けて、各方面と話をしていかなければと思っています」

「現在の燃料は『余ればチームに渡して、ナンバー付きの車両に入れて帰ればいい』というようなものではありませんから、我々の方で大量に保管・管理する必要があります。そういったコスト面なども考えなければいけませんし、色々な部分をクリアにするために話し合いを進めていきたいです」

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