自民党総裁選で、5人の候補者が9月22日の日本テレビの番組に出演した際、CM中に高市早苗氏が「私も去年は泡沫候補だった」と漏らす場面があった。確かに高市氏はライバル候補の小泉進次郎農水相に議員票、党員票で劣勢だったが、結果的には決選投票に残り、小泉氏は3位になった。今年の2人の再戦や、いかに。
CM中に司会者から「こういった調査には必ず目を通すというのはあるんですか」と聞かれた小泉氏は「いろんなのに目を通しますけど、選挙結果が動向調査、世論調査とぜんぜん違った結果になることはけっこうありますから。フタを開けるまでわからない」と答えた。
その上で小泉氏が「ですよね」と隣にいた高市氏に同意を求めると、高市氏は「だって私も去年は泡沫候補やったもんなぁ」と応じたのである。小泉氏が「そんなことないです」と言うと、高市氏は「でした。直前まで(支持率は)ひとケタ台で」。
今回、日本テレビが自民党の党員・党友を対象に行った調査で、1位は小泉氏の32%、2位が高市氏の28%だった。国会議員票では小泉氏に劣勢の高市氏としては、党員票で差をつけたいところだが、この調査では逆に小泉氏にリードを許す結果となった。
高市陣営にとっては、ショックな結果だ。ただ、高市氏が自虐気味に「直前までひとケタ台」と述べたように、昨年の総裁選の際にも行われた日本テレビの党員・党友調査で、石破茂首相(総裁)が28%で1位、2位は小泉氏の18%、3位が高市氏の17%だった。高市氏はその後に盛り返し、結果的には党員票1位となった。小泉氏は3位に沈み、決選投票に残ることはできなかったのだ。
今回も今の段階でみると、小泉氏が約185票(議員票90票、党員票95票)、高市氏は約120票(議員票40票、党員票80票)と、2人による決選投票になる公算が大きいものの、小泉氏が大きくリードの見通しとなっている。
もっとも、小泉氏が言うように「動向調査と選挙結果は異なることがある」ため、高市氏がどこまで追い上げられるか、小泉氏が序盤のリードを維持できるかが、総裁選の焦点となりそうだ。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)

