
モノ・トレンド雑誌売上No.1「MonoMax」の編集長・奥家が、今一番気になるモノやトレンドを紹介する連載企画。今回の「コレ買いです」は、フリースの新たな可能性を提案するユニクロ アンド ニードルズ「フリースジャケット」を取り上げます!
ユニクロとニードルズの魅力が凝縮!
老若男女もシーンも問わず、多くの人々にとってのライフウエアを提案してきたユニクロ。誰もが手に取るのは快適な着心地とコスパの高さ、そしてシンプルで汎用性の高いデザインにあることはご存知のとおりかと思います。そんなユニクロですが、一方では世界中で注目されているクリエイターやブランドとコラボレーションし、意欲的なプロダクトを次々にリリースしているところも注目したいポイント。ド定番とご新規、保守と前衛といった要素がクルマの両輪となっているからこそ、これだけ長く愛されているんですよね。
そして2025年秋冬コレクションにも、注目のコラボが登場。飛び抜けた独創性で時代を築き上げた清水慶三氏が手掛ける、ニードルズとのコラボがスタートしたんです。
セレクトショップ・ネペンテスの創立者、清水慶三がデザインを手がけるブランド、NEEDLES。その確かな審美眼や先見性が作り出す世界観とユニクロのモノづくりによる特別なフリースコレクション「UNIQLO and NEEDLES(ユニクロ アンド ニードルズ)」が誕生しました。ユニクロの進化し続ける「フリース」に、シンプルなデザインの中にプロダクト本来の魅力を際立たせるNEEDLESの美学が融合した新しいLifeWearです。(公式Webサイトより)

ユニクロ アンド ニードルズ
フリースジャケット
¥4,990(税込)
ふわっふわな生地とニードルズらしいモダンなカラーリング、どこかヴィンテージな趣……それでいて¥5,000を切る価格設定。ユニクロとニードルズ、両ブランドの良さが凝縮した一枚なんです。
今回のコラボについて、ニードルズの清水氏は次のようにコメントしています。
「1988年のネペンテス創業、1995年にNEEDLESを設立して以来、東京の神宮前から世界に向けて自分たちのペースでの発信を続けてきました。軽やかで暖かいユニクロ社の代名詞とも言えるフリースにNEEDLESらしさを感じる蝶のモチーフやシルエットが加わり、アイコニックで特別なアイテムが生まれました。このコラボレーションにより幅広い層の皆さんへ、よりグローバルにNEEDLESの世界観をお届けできることを心から楽しみにしています」(公式Webサイトより)
90年代のいわゆる“裏原ブーム”を駆け抜けた世代としては、ネペンテス、そしてニードルズは絶対に欠かすことのできない存在です。アメリカンカルチャーやネイティブスタイルをベースに独自の世界観を築き上げ、日本のみならず世界中のファッショニスタを虜にしてきました。そうした“伝説的存在”のエッセンスを、ユニクロが贈るライフウエアとして体感できる時代が来るとは、実に感慨深いものがあります。
包みこまれたときの“幸福感”がたまらない!
では、実際の製品をチェックしてみましょう。
着用してみて最初に感じたのは、フリース素材の心地よさでした。ユニクロのフリース自体、いつもクオリティが高いのですけども、今作は特に毛足が長く肉厚な生地が使われているため、これに包みこまれたときの“幸福感”もグレードアップ。柔らかくて暖かく、幸せな気分に浸れます。
また、特有のカラーリングもニードルズらしさを感じられる点。今回はベージュカラーを採用しましたが、ベタなベージュよりも彩度を下げ、少しくすませて見せることでモダンな雰囲気に仕上げています。この他ブラックカラーは洗練されていますし、パープルは妖しい色気も放っていて、「さすがニードルズだな」って感じさせてくれます。
ニードルズらしさとしては、胸ポケットのレイアウトも挙げられます。たいていのフリースジャケットの胸ポケットは垂直に設置されているところ、今作は斜めに仕上げ、モノを出し入れしやすくしていました。この角度が絶妙で、右手でアクセスしやすいし、かつファスナーの操作にストレスもないんです。よく考えられています。
細かいところですが、胸ポケットと腰ポケットが配置された左前身頃には一枚の裏地が貼り付けられていました。ポケットの袋布を個別につけるとプラプラしてしまい、体への当たりが心地悪かったり中に入れた荷物が動いてしまったりするのですが、そうした懸念に対応しています。
シルエットは今の時代らしいリラックス感のあるものですが、アームホールの設計が適切になされているため、腕の上げ下ろしは実にスムーズでした。
裾にはアジャスターを設置。ゴム製のドローコードで裾を絞れば遮風性も高まりますし、シルエットもアレンジできます。
