最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
「地味な出来事を面白く描く」歴史漫画の傑作、『雪の峠・剣の舞』を紹介させてくれ、頼む<今日書きたいことはこれくらい>

「地味な出来事を面白く描く」歴史漫画の傑作、『雪の峠・剣の舞』を紹介させてくれ、頼む<今日書きたいことはこれくらい>

内膳の奥さんが岩明作品でもトップクラスに可愛い件について

 ところで、上記までの話を一旦ぶっちぎるのですが、『雪の峠』に出てくる渋江内膳の奥方は大変かわいいです。そんなに登場ページ多くないけど、それでも本作中でも突出した存在感。

 戦国武将の妻らしく普段は淑やかな雰囲気ではあるのですが、内膳の仕事内容を聞いて「ひー頭いたー」と耳をふさいでみせたり、出羽に移る時、横手を通ってきたと聞いて「そうでしたっけ」と言ったり、ちょっととぼけた表情も見せる。この、口元に指を当ててる表情とか超かわいい。

 一方、仕事にいそしむ内膳の身を案じつつも、「戦場に出られるよりはなんぼかよろしいかと……」なんてちょっと影がある表情を見せたりするのも、史実を考えると絶妙な描写(史実では、内膳は窪田城竣工の10年ほど後、大阪冬の陣で戦死することになります)。

 岩明作品のヒロインというと、『七夕の国』の東丸幸子とか、『風子のいる店』の風子、『寄生獣』の里美あたりがぱっと思いつきますが、「登場頻度に対する存在感」という点ではぶっちぎりトップなのでは? と思えるほどの存在感です。

 この辺り、作品の中では傍流に当たる部分ではあるのですが、是非ご注目いただければと考える次第なのです。

ところで『剣の舞』も面白いです

 ここまでは『雪の峠』の話に終始してしまいましたが、もう一つの短編である『剣の舞』、個人的には『雪の峠』の方がより好みというだけで、こちらも読み応えのあるタイトルです。

 主要キャラが「剣聖」と呼ばれる上泉信綱とその高弟である疋田景兼(文五郎)、というだけでも十分強力なキャストなのですが、ここに敢えて架空のキャラである「ハルナ」を主役に据えている辺りが岩明先生一流のテクニック。

 話の味付けとしてはだいぶヒロイックで、実話に即したリアリティ、という点では『雪の峠』に一歩譲るかも知れませんが、重たさと気楽さ、爽快感と悲壮感が絶妙にブレンドされている辺り、こちらも十二分に「歴史漫画」としての名作に数えるべき完成度になっているとおもいます。

 取り急ぎ、十文字槍で敵兵を片っ端からなぎ倒す上泉信綱がめちゃくちゃかっこいい点は保証できますので、ご興味ある方はこちらも是非。

 長々と書いてきてしまいました。

 私が言いたいことをひとことでまとめると、

「『雪の峠・剣の舞』はめちゃ面白いですので皆さん読んでください、ただ電子書籍になっていないことが唯一最大の問題点なので是非電子書籍化に期待したいですよろしくお願いします」

 ということになります。

 ホント、こんなに面白い作品が手に入りにくいのは重大な損失だと思いますので、なんとか電子化していただけないものかなーと。出たら買います(文庫版とKCデラックス版両方持ってるけど)。

 今日書きたいことはこれくらいです。

配信元: ねとらぼ

提供元

プロフィール画像

ねとらぼ

「ねとらぼ」は、ネット上の旬な情報を国内外からジャンルを問わず幅広く紹介するメディアです。インターネットでの情報収集・発信を積極的に行うユーザー向けに、ネットユーザーの間で盛り上がっている話題や出来事、新製品・サービスのほか、これから興味関心を集めそうなテーマや人物の情報などを取り上げ、ネットユーザーの視点でさまざまなジャンルのトレンドを追います。

あなたにおすすめ