『ジャイアントドリーム2025』東京・アリーナ立川立飛(2025年9月23日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vs斉藤ジュン×
王道トーナメント覇者の宮原がジュンとの頂上決戦を制して、2年7ヵ月ぶりに三冠王座戴冠。早くも初防衛戦の舞台を旗揚げ記念日となる10・22後楽園大会に指定した。
宮原は9・15後楽園大会で3年ぶり3度目の王道トーナメント制覇を達成。試合後、リング上に三冠王者・ジュンを呼び込むと、タイトル挑戦を表明し、秋のビッグマッチとなる立川大会で頂上決戦に臨むことになった。
迎え撃つジュンは昨年の大みそ日に三冠初戴冠を果たしたあと、ここまで7回の防衛に成功。安定政権を築いているが、王道トーナメントは綾部蓮に敗れて1回戦敗退となっていた。今年3月の三冠戦ではジュンが勝利したものの、5月のチャンピオン・カーニバル公式戦では宮原が雪辱に成功。過去2回の王道トーナメント優勝時には三冠奪取にキッチリとつなげているだけに、7度目の至宝戴冠を果たすべく決戦に臨んだ。
序盤から三冠戦らしい一進一退の攻防が続くが、ジュンが串刺しバックエルボーを浴びせると、宮原は脇腹を押さえて苦もん。動きが鈍くなると、ジュンはすかさずブレーンバスターでぶん投げた。しかし、宮原は大きな「健斗」コールを受けると奮起。低空ドロップキック、側頭部へのドロップキックの連続攻撃で挽回した。ジュンのパワーに手を焼きながらも、エプロンでのパイルドライバーで突き刺す。
リングアウト寸前まで追い込まれたジュンだったが、エルボー合戦になると破壊力で上回って挽回。宮原がジャーマン、ブラックアウトで立て直しても、ジュンは起死回生のチョークスラムで再び攻勢へ。猛抵抗を見せる宮原を雪崩式チョークスラムで叩きつける。必殺のDays Goneは切り返されたものの、スピアー、ジャックハマーがさく裂。客席からは「健斗」コールが巻き起こるも、ジュンの猛攻は続き、フロントハイキック、ラリアットから間髪入れずにDying Lightを叩き込んだ。宮原がカウント1でキックアウトしてどよめきを巻き起こしても、構わずサイコブレイクでぶん投げる。
それでも宮原は沈まない。Days Goneはヒザを利かせて阻止。ブラックアウトを連発すると、絶叫するジュンをシャットダウンスープレックスで投げきった。ジュンは執念のキックアウトを見せると、再度シャットダウンを狙う宮原にDying Lightを一閃。それでも宮原はDays Goneを再び防ぐと、執ようにシャットダウンスープレックスを仕掛けていく。何度もジュンは振り払ったが、大振りのチョップをかわした宮原はまたもバックに回り込み、ロープを目指すジュンを今度こそシャットダウンで投げて3カウントを奪った。
宮原が2年7ヵ月ぶりに三冠戴冠。前回のタイトル陥落から実に6度目の挑戦で、ついに7度目の三冠王座獲得を果たした。
大歓声を受けた宮原は「プロレスファンよ、待たせたな! どうだ? この姿を見たかったんだろ?」と言い放つと、場内は大きな拍手に包まれる。宮原は「俺は今日この場所で誓おう。今日から…いや、俺が最高の男と言いだしてからこのかた、日本プロレス界の最高のエースは俺だ」と高らかに宣言。「そして、俺は三冠チャンピオンとして何をするのか。教えてあげよう。日本を元気にすることだ。そして、この日本プロレス界の先頭に立ち、俺がこの日本プロレス界にあなたがたが喜ぶような喜怒哀楽を提供してやるよ」と大きな目標を掲げた。
「もう一度言う。日本プロレス界の三冠ヘビー級チャンピオンが先頭に立ち、最高のエースとして、日本のプロレスファンを満足させてやる。チャンピオンになったということは、おのずと次が待ち構えている。次、このベルトの初防衛の舞台をどこにしようか」と投げかけると、客席からは様々な声が飛ぶ。宮原は立川での防衛戦実現も約束すると、「チャンピオンには権限があるからな。10月22日が何の日かご存知でしょうか。全日本プロレスの誕生日なんです! そう、全日本プロレスは1972年10月22日に旗揚げし、来月22日でなんと53周年を迎える。そんな10月22日、後楽園ホールでやってやろうじゃないか」と舞台を10・22後楽園大会に指定した。
「防衛戦の相手は誰でもいいぜ。俺に勝てると思うならかかって来いや」と全方位に戦線布告したものの、「しかし、今日は受けつけない。なぜなら立川でやるわけじゃないからな。来月の後楽園ホールだ」と相手については明言せず。大「健斗」コールに包まれると、「最後に会場の皆さんに聞きたぁい! 全日本プロレス最高ですかぁ?」と投げかけて「最高」コールを浴びる。最後に「全日本プロレス、そして立川…最高」と満足げな表情で熱闘続きの立川大会を締めくくった。
【試合後の宮原】
▼宮原「よし、取ったぞ。これだろ、これ。見たかった姿だ。なあ、プロレスファン。この2年と数ヵ月、見たかった姿を、満を持してお見せするよ。これが最高の男、宮原健斗の三冠ベルト姿だ。そして、俺がチャンピオンとして何をするのか。俺は日本を元気にするんだ。いいか、日本を元気にする。そして、日本プロレス界の最高のエースとしてリングに立つ。そして、この日本プロレス界の先頭に立ち、最高の男、最高のエース! 宮原健斗はワクワクドキドキ、プロレスファンに喜怒哀楽を、非日常を俺が提供する。その気持ちを味わいたいなら、宮原健斗から目を離すな。そして、チャンピオンと言えば次の相手だ。次の相手は誰だ? 俺は誰でもウェルカムだ。ただ、初防衛戦は全日本プロレスの誕生日、10月22日、後楽園ホールを指定する。全日本プロレスにとって53歳の誕生日だ。そんなめでたい日に初防衛を希望する。俺の三冠ベルト姿を後楽園ホールで見れるなんて何年ぶりだろうな。プロレスファンよ。俺が今日からさらにこの日本プロレス界を面白くして、ワクワクドキドキ、非日常を提供する。以上だ。よっしゃあ」
――2年7ヵ月ぶりに三冠ベルトを腰に巻いた感触は?
▼宮原「まだしっくり来てないね。俺の間に何人いたかわからないけど、それぐらいしっくり来てないよ。なんか異物を巻いているみたいだよ。異物だよ、異物。まあ、次の10・22まで毎日このベルトと共にしますよ、一夜を。そうすると、宮原健斗のあの懐かしい匂いを感じるだろう。毎日これから共にしますよ」
【ジュンの話】「宮原健斗、強かったな。今日負けたのは俺だ。お前が新チャンピオンだ。ベルトは今は俺の手から離れたかもしれないが、必ず取り返して、最多防衛記録をこの俺、斉藤ジュンが作ってやる。今は大事に持っているがいい。DOOM」

