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「あきらめて東京に帰りました」大阪駅のロッカー、終電間際に「通信障害」で荷物が取り出せず男性が絶望…増える多機能ロッカーのトラブル、その対応策とは

「あきらめて東京に帰りました」大阪駅のロッカー、終電間際に「通信障害」で荷物が取り出せず男性が絶望…増える多機能ロッカーのトラブル、その対応策とは

11月24日、Xに投稿されたあるポストが話題になった。ある男性が大阪駅のロッカーに預けた荷物を取り出そうとしたところ、まさかの「通信障害」でロッカーを開けることができず、荷物を置いて帰宅せざるを得なくなったというのだ。男性に話を聞くとともに、緊急時の対応について大手ロッカーメーカーの見解を聞いた。

「コインロッカーの通信障害」で荷物が取り出せず…

「なんと、コインロッカーの通信障害とかいう常軌を逸したトラブルにより、大阪駅に荷物を置いて帰宅する男」

11月24日未明、Xにこう投稿した男性によると、大阪駅のロッカーに預けた荷物が通信障害によって取り出せなくなり、コールセンターの営業時間も過ぎていたことから、荷物を残したままの帰宅を余儀なくされたというのだ。取材班はこの男性に話を聞いた。

「11月23日の18時頃に、大阪駅御堂筋北口のロッカーに荷物を預けました。この日はイベントに参加していたために、預けたのは泊まり用の衣類やイベントで使うグッズ類を入れたスーツケースと、衣装一着です」

事件が起きたのは、荷物を取り出そうとした24日の深夜0時過ぎのことだった。

「24日0時33分発の寝台特急サンライズ出雲に乗るため、(24日)0時15分頃にロッカーから荷物を回収しようとしました。最初はロッカーの液晶画面にある『取り出し』をタッチして、遷移した画面でICカードを押したら『現在お取り扱いできません』の表記が出ました。何度か試していると、ロッカーのカード読み取り部分の液晶に『通信障害』と表示されていることに気づきました」

男性は、ロッカーのコールセンターの対応時間が7~23時で、東京行きの終電発車まで5分だったこと、荷物に貴重品がなかったことから、この日は回収をあきらめて東京へ向かった。翌朝7時すぎに東京駅からコールセンターに電話したところ、先方負担で郵送してもらうという形で事態は決着したという。

「朝、寝台列車で東京駅に着いてからコールセンターに電話し、『利用時間分の代金はいただかないこと』『指定場所まで発払いで郵送すること』という対応を申し出ていただき、事なきを得ました」

その後、25日には宿泊先のホテルに荷物は無事に届けられたという。出先で作業する際に使うタブレットとキーボードを預けていたため、「少しだけ作業が遅れたくらい」で済んだと男性は説明した。

「仕組みや運用に完璧というものはありません」

近年、多機能化が進むロッカー。マルチ決済や宅配便の受け取り機能など、サービスの幅が広がっている。そうしたなか、前出の事例のような通信障害などさまざまなトラブルも想定される。

1964年に日本で初めてコインロッカーを製造した大手ロッカーメーカー「アルファロッカーシステム」の担当者に、ロッカーのトラブル対応について見解を聞いた。

「当社でも、電話会社の一時的な障害が原因で不具合が生じたケースはありました。しかし、継続的に通信障害が発生したことはありません。

私たちの場合、緊急時のコールセンターは24時間対応です。現場への駆けつけは時間的な制約もありますので、状況に応じて対応します。現場に伺える時間帯でないときは、お客様の住所やメールアドレスをお聞きし、後日こちらから荷物を送付するような形になります。

また、近隣にお住まいの方であれば受け取り期日を指定していただくこともできます。取り忘れがあった場合には、速やかに回収して事務所で保管するなど、ケースに応じた対応を行なっています」

通信障害のみならず、取り出し用のレシートの紛失など、およそ60年のコインロッカー事業を通しあらゆるトラブル対応を経験してきたという同社の担当者は、今回の事案について次のように話した。

「仕組みや運用に完璧というものはありません。トラブルや障害はどうしても起きますが、それに対してどういうサービスを提供できるかが重要だと思います。『ネットワーク系のロッカー=通信障害で取り出せない』というイメージで捉えられてしまうのであれば、我々としても本意ではありません」

今後は場所や用途等に応じて多様な種類のロッカーが「共存」していくのではないか、と話す。

「(鍵で開閉するタイプのロッカーは)世の中の意見としては減らしたいという声が多いかもしれません。ただ、例えばイベント会場や、プールやスキー場などの季節営業施設などは、インターネットや決済端末の契約金を払い続けるメリットがないため、従来式のロッカーが適しています。

また体育館や図書館等の公共施設や美術館など、コイン返却式の無償ロッカーを設置するのが適した場所もあります。今後は、設置場所に応じたさまざまなタイプのロッカーが共存していくようになるのではないでしょうか」

ITや通信技術の発達とともに多機能化が進むロッカー。利用する側としては、用途に応じてスマートに使い分ける姿勢が大切なのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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