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北川景子、森田望智、佐久間大介、渋谷龍太らが互いに称え合う!『ナイトフラワー』公開前夜祭舞台挨拶

北川景子、森田望智、佐久間大介、渋谷龍太らが互いに称え合う!『ナイトフラワー』公開前夜祭舞台挨拶

『ミッドナイトスワン』(20)で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた内田英治監督が原案、脚本、監督を手掛けた最新作『ナイトフラワー』(公開中)の公開前夜祭舞台挨拶が、11月27日に東京の丸の内ピカデリーで開催。主演の北川景子、共演の森田望智、佐久間大介(Snow Man)、渋谷龍太(SUPER BEAVER)、メガホンをとった内田英治監督が登壇した。中盤で子役の渡瀬結美、加藤侑大もサプライズ登場した。

主人公、永島夏希役の北川景⼦
主人公、永島夏希役の北川景⼦

本作は、⽣活に困窮し、⼦どものためにドラッグの売⼈になることを決意する⺟親と、社会の抑圧に抗いながら夢を追いかける⼥性格闘家が出会い、互いに⽀え合いながら運命をともにする感動作。公開を明日に控える心境を尋ねられた主人公、永島夏希を演じた北川は、「この作品はちょうど1年ほど前に撮影をしていたのですが、プロモーションもこの1か月ほどやってまいりまして、ようやく、こうしてお客さまにお届けすることができてとてもうれしいです」と期待に胸を躍らせた。

芳井多摩恵役の森⽥望智
芳井多摩恵役の森⽥望智

北川演じる夏希のボディガードとして、シスターフッドを繰り広げる格闘家の芳井多摩恵役を演じた森田は、「ようやく今日、皆さんに観ていただけたということで、きっといろいろご感想があると思いますけど、口コミなどを書いていただけたらうれしいです」とコメント。同イベントの数日前に、2027年度前期の連続テレビ小説「巡るスワン」で主人公を演じることが発表された森田。MCから祝福されると「ありがとうございます」と笑顔を弾けさせた。佐久間も「うれしかったです。身内にすごく楽しそうなことが起きてる」と喜ぶと、森田は「SNSで(北川と佐久間が)私以上に喜んでくれて」とうれしそうに話した。

池⽥海役の佐久間⼤介
池⽥海役の佐久間⼤介

森田が演じる多摩恵に想いを寄せながらも危険な道に導いてしまう池田海役を演じた佐久間は、「本日は皆さん、フライングで観たということで、いろんな感情になっていると思うんですけれども、いまはみんなでいろんなお話をしつつ、抱えたことはぜひSNSに書いてください!」と声を弾ませた。

サトウ役の渋⾕⿓太
サトウ役の渋⾕⿓太

ドラッグの元締めでつかみどころのないサトウ役を演じた渋谷は、本作が演技初挑戦となった。「普段はバンドマンです。よろしくお願いします」と挨拶し、「撮影があったのがちょうど1年前で、自分は芝居というものを、いままで一度もしたことがなくて、ドキドキしながら撮影をしていたので、まさかそこからもう1年経って本当に公開されるんだなという、そんな気持ちです」と感慨深げに語った。加えて、渋谷は「僕が『ありがとうございます』と言うのはちょっと違うかもしれませんが、みんなで一生懸命作ったものが、こういうふうに人の手に届いて人のものになる瞬間というのは、すごく素敵だなと改めて思います。本当にどうもありがとうございます」と頭を下げた。森田が「映画と違って好青年なんです」と紹介すると、渋谷は「映画と違って好青年です(笑)。自分で言うあれじゃないですけど」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

原案、脚本、監督の内⽥英治
原案、脚本、監督の内⽥英治

内田監督は、「撮影から1年経って、こうやってみんなと一緒に集まれて本当にうれしいです」と喜びを語りながら、「オリジナル作品なので、世間の多くの人はこの作品のことを知らない。それを認知させてくださるのは、今日来ている皆さんだと思います。重要任務なのでよろしくお願いします」と言葉に力を込めた。また、子どものために犯罪に手を染めてしまう母親という役柄について北川は、「奇をてらったお芝居をしたくないなと思っていて、夏希という人物は、もともと凶悪な人とかではなくて、一生懸命2人の子どもを1人で抱えながら育てている、関西のユーモアあふれる温かいお母さんだと思うので、そういう部分は私も母親でもあり、関西人でもあるので、普段の自分のナチュラルな部分を投影しながらできたらいいなと思いました」と胸の内を明かした。

【写真を見る】佐久間大介が渋谷龍太の演技を絶賛
【写真を見る】佐久間大介が渋谷龍太の演技を絶賛

さらに北川は「正しくない選択をしてしまうんですけれど、誰かを困らせたいとか、悪いことをしといいう気持ちではなくて、やはり家族を守りたいとか、大事な家族とずっと生きていきたいという、その一心で犯罪に手を染めているので、家族に対する真っ直ぐな愛情であったりとか、ピュアな気持ちみたいなものを大事にして演じたいと思っていた。『自分は売人なんだ』ってあまり思わないようにしていたかもしれない。普通に真っ直ぐにやりたいと思っていた」と答えた。

森田は、多摩恵役について「最初は自分がリングに立っている姿が想像もつかなくて、どちらかと言えば平和に生きてきたタイプなので、本当に務まるのかなと思っていました。練習をしていてもやっぱり痛いし、結構ハードなんですよ。だから『戦うぞ!』という気持ちになるまですごく時間がかかって、試合をしていくなかで、本当に死ぬ気で戦っていると、なんだか『いまを生きてるな』って思える瞬間に巡り合って、そこからは『格闘技は戦うためにやっているんじゃなくて、生きるためにやってるんだな』って思ってからは、すごく共感できました」としみじみと語った。

そんな森田について、内田監督が「勝手に練習をするんですよ。指定のジムとかもあるのに、全然知らないジムに勝手に入って…(笑)」と不服そうな表情を浮かべると、森田は「内田さんが私のことを運動神経がいいと勘違いしていて、『大丈夫だよ、君は』って」と反論した。佐久間からも「もともと撮影で練習の時間を用意してもらっていた3倍くらいやってきたらしいです」と明かされると、森田は「最後のほうはそうですね(毎日やっていました)」と語り、観客から労いの拍手が起こった。

加えて、近くで森田を見ていた北川は、「とにかく心配でした。吹き替えの方を使ったりせず、全部、森田さんがやっているなかで、生傷やあざとかが絶えないのを見ていたので、とにかく格闘シーンだけでも早く終わってくれという気持ちだったのと、ジムのシーンも全部まとめて1日で撮ってるんですけど、スケジュールを見て『あー、今日やってるんだ。大丈夫かな…』ってずっと思ってましたね」と振り返った。森田は「(北川が)私以上に『格闘技。大変だよね…』って、心配してくださって、心のよりどころでした」と感謝。北川は「森田さんのアップの時、自分のほうが泣いちゃったり(笑)」と懐かしんだ。

海役の佐久間は、「いままで、普通の男の子を演じることがほぼなかったので、まず『普通の子って何だろう』と考えて演じさせてもらったんですけど、海のなかですごく大事にしていたのは、『多摩恵をどれだけ大事に思ってるかっていうのを何で表現できるか』でした」とコメント。さらに「ラーメン屋さんのシーンがあるんですけど、本当に大事な人を見ている表情とか目の温かさだったりが、本当に大事だなと思っていたら自然と出て、それがちゃんと映像に映ってるのを見て、『海ってめっちゃ多摩恵のこと大事にしてるんだな』って自分でも思えたので、そこがすごくよかった」と自画自賛した。

そんな佐久間演じる海の気持ちを受け止めた森田は、「本当に目が優しくって、でも多摩恵は鈍感な子なので、私は演じながら罪悪感と申し訳ないなっていう気持ちでいました。きっと夏希とは、また違う絆が海とはあったなって、いま思い返してもそう思うので、気づけたのは佐久間さんのおかげかなと思ってます」と感謝の意を述べた。

そして、演技初挑戦となった渋谷は、サトウ役をプロファイリングして撮影に望んだそうで、「芝居というものが初めてだったので、現場に呼んでいただいて、自分になにができるんだろうってなった時に、やっぱりいっぱい考えることだなっていうふうに思いました。自分に与えられた役の背景みたいなものを考えて、そういう人間なんじゃないのかなって思ったりして、自分でいろんなことを決めていくってことがすごく大事だなという気がしていたので、まず監督に『サトウという男は、こういう生い立ちで、こういうことを考えながら、こんな行動に出るような人間だと思うんですけど、どうですか?』って言ったら、『そうなんじゃない?』って言われたので、『そうなんだ』って思いました」と役作りのエピソードを明かした。

そんな渋谷について、佐久間も「芝居がナチュラルすぎてびっくりしました。初めてやる人はできない領域なんです。ちゃんと怖かったですもん」と舌を巻いた。渋谷は「拍手をいただいてもよろしいですか」と求め、観客からの盛大な拍手をご満悦な様子で浴びた。加えて、MCから「これから怖い役(のオファー)ばかりくるんじゃないですかね」と声をかけられた渋谷は「普段通りの温厚な役もお待ちしております」とアピールした。

内田監督は、ラストシーンの真相を聞かれると「秘密です」と一蹴した。プロデューサーと脚本を作り、撮影していくなかでもラストシーンについては揺れていたそうで、「最後は自分なりの答えを見つけたんですけど、それは秘密です。でも、いろんなところにポイントを散りばめていて、小道具とか、背後にかかってる絵とかね。そういうのを見ていただいたりしたら、ちょっとしたヒントにはなるかもしれない」と打ち明け、リピート鑑賞を推奨。また「見る人の育った環境や、いまいる状況によっても受け止め方が変わると思う」とも語った。

北川景子演じる夏希の子どもを熱演した渡瀬結美と加藤侑大がサプライズ登場
北川景子演じる夏希の子どもを熱演した渡瀬結美と加藤侑大がサプライズ登場

さらに、北川演じる夏希の娘、小春役を演じた渡瀬と、息子の小太郎を演じた加藤がサプライズ登壇すると、なにも知らされていなかった4人のキャストと監督、観客は「かわいい!」と目尻を下げた。北川は「ちょっと大きくなった気がするね」とにっこり。

渡瀬結美が手紙を読み上げ、感激する北川景子
渡瀬結美が手紙を読み上げ、感激する北川景子

北川と森田に花束を贈呈後、渡瀬が北川に手紙を読む一幕もあり、渡瀬は「夏希ママへ。初めての演技と初めての関西弁でわからないことばかり。カチンコチンに緊張して顔合わせに行ったことをいまでもよく覚えています。そんな私に夏希ママは、初めてお会いした時から撮影の時もずっと、本当のママのように接してくれました。いつも気にかけてくれて、優しく話しかけてくれたり、そっと頭を撫でてくれたり、さりげなく肩に手を置いてくれたり。夏希ママと一緒のシーンでは、安心して自然と小春になることができました。夜、2人きりの食卓で、小春が作ったオムライスを夏希ママが食べるシーンが私は大好きです。夏希ママをひとり占めできる時間だったからです。ママが悲しんでいると私も悲しくなり、ママが笑っていると私もうれしくなりました。夏希ママと一緒にお芝居させていただいたことは、私の大切な宝物です。一生大事にする。優しくて、強くて、かっこいい夏希ママは、私の憧れです。これからもずっとずっと大好きです。小春・渡瀬結美より」としっかりと手紙を読み上げた。

これに北川は、「いやぁ、本当に…なんてしっかりしているんだろうということと、1年ぶりにお会いしたんですけど、撮影時のことがすごく蘇って、作ってくれた料理を食べるシーンは感情が込み上げてくるものがあって、結美ちゃんと侑大くんと一緒にやったから、そういう芝居が生まれたなと思います。なんて素晴らしい娘なんでしょうね。本当に感動しました。ありがとうございました!」と頬を緩めた。

花束を手に喜びを語る北川景子
花束を手に喜びを語る北川景子

最後に、北川は「この作品は愛の物語だなと思っています。人間は大切なものとか、大切な相手のためであれば、自分1人では成し得なかったことができてしまったり、自分の奥底から力が湧いてきて、これまで進むことができなかったような道とか、開くこともできなかった扉を開いたり進んだり、そういうことができる、無限の可能性を秘めた生き物なんだなと思いました。1人では寂しかったり、上手に生きられない我々が、それぞれに出会って愛を見つけて、それぞれ歩んでいくという、人間の愛の物語だとと思っております。この映画が、皆さまが大切な人と心を交わせるようなきっかけになったり、進んでみたい新しい道を一歩踏み出す励みになったり、そんな作品になったらいいなと思って宣伝をしてきたんですが、もう明日公開なので、つべこべ言わないです。とにかく観ていただければ本当に面白いですということを言いたいです」と力強く締めくくった。

文/山崎伸子
配信元: MOVIE WALKER PRESS

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