昔話「桃太郎」を題材に、鬼の血を引く者たちと桃太郎の血を引く者たちの争いを描くTVアニメ「桃源暗鬼」(毎週金曜夜11:00-11:30／ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)。11月15日に放送された第十八話では、神門が四季に対して疑心暗鬼を強めていく姿が描かれた。これまでになく冷ややかな神門の表情に、視聴者から驚きの声が上がっている。(以降、ネタバレが含まれます)
■真澄隊長の意外な一面に視聴者も惚れ惚れ
火の手が上がる病院から少女を救出した一ノ瀬四季(CV:浦 和希)と皇后崎 迅(CV:西山宏太朗)。2人は少女の妹も狙われる可能性を考え、警官と聞いていた桃寺神門(CV:土岐隼一)に協力を仰ぐ。しかし、神門から送られてきた住所へ急ぐと、少女の家はすでに燃えていた。
どちらの火事も偶然とは思えず、練馬支部に戻り、状況を報告することに。検査の結果、皇后崎の身体に異常は見つからなかった。だが、行く先々で先手を打たれていることから、隊長の淀川真澄(CV:田丸篤志)は桃太郎が何らかの能力で皇后崎を監視している可能性が高いと推測。皇后崎は目隠しをした上で隔離し、最悪の事態を想定してアジトの放棄および隊員の避難を決定する。
その迅速な判断はもちろん、印象的だったのは生徒たちにかけた言葉だ。現時点で自分たちを狙っている桃太郎の情報が何も得られていない以上、打つ手はないと諦めかけた生徒たちに、真澄はどんな能力にも必ず穴があり、その穴を諦めずに見つけることが大事だと教える。
「心だけは折るな。心が折れなきゃチャンスは0にならねぇ」と鼓舞し、生徒たちから「押忍！」と元気な声が返ってくると、真澄はふっと笑った。常に冷静かつドライで、四季たちに対しても厳しい言葉を投げるが、その笑みは愛情がないわけではないことを物語っている。一瞬の油断が命取りになる過酷な現場に身を置いてるからこそ、そこを目指す後進をしっかり育てようとしているのだ。
そんな真澄に、視聴者も「真澄さんがかっこよすぎた……」「真澄隊長は頭が切れますね」「真澄隊長鼓舞の仕方も神ですか？」「真澄って指導者向いてるよな」と惚れ惚れしていた。
■ナツ＝四季は己の手で始末すると宣言!? 疑心暗鬼を強めていく神門
真澄の好感度が急上昇する一方、その卑劣さを露呈し、視聴者を辟易させたのが桃巌深夜(CV:沢城千春)だ。ナツを名乗る四季と偶然にも知り合い、仲を深めていた神門。深夜がその繋がりに気づきながらも、少女探しに協力したのにはある理由があった。
病院の火事と同様、手下を使って少女の自宅に火を放った深夜。その上で、神門にナツが放火犯であると思い込むように仕向け、さらにはナツが“鬼神の子”一ノ瀬四季と同一人物の可能性を提示した。なぜそんな回りくどいことをするのかといえば、神門が「自分が善と判断したら鬼であっても殺さない」という信念を持っているからだ。
そのため、深夜は神門に四季を「友人を欺き、姉妹を口封じのために殺す極悪非道な鬼」であるかのように思わせ、そのやる気を引き出そうとしたのである。神門は「ナツくんは本当に自然体でいてくれる。だから、僕はナツくんを信じたい」とあくまで自分の考えを崩さなかったが、深夜は「“信じる”じゃなく、“信じたい“の時点でもう疑いが生まれてんだよ」と心の中でニヤリ。「お前の埋もれてたやる気のスイッチは、今は頭が見えてきた。あとはそこをほじくり出して、ここぞって時にこの俺がやる気のスイッチを押してやる」と意気込んだ。
一方、真澄の指示で屏風ヶ浦帆稀(CV:石見舞菜香)と桃太郎につながる唯一の手がかりである深夜の手下たちを探していた四季。神門から電話がかかってくるが、急いでいたため、すぐに切った。そこですかさず、深夜が「あっちはなんか隠してるな」と神門を焚きつける。
神門も少しずつ疑心暗鬼に陥っていき、「もしナツくんが鬼神の子だったら、僕がこの手できっちり殺します」と宣言した。それまでとは一転、殺伐とした雰囲気を見せる神門に、視聴者は「確実に神門が四季くんのこと疑い始めてるな……」「深夜の思惑通りになってて辛い」と驚愕。「良い鬼は殺さないんだよな？神門？な？」「四季を信じるんだ！神門！」と祈るような声も上がった。
そうとは知らず、再び神門に協力を求める四季。2人の友情の行方が気になるところだ。
◆文／苫とり子
