『復讐相手がすでに不幸のどん底なんですが!』(通称:ふこどん)。かつて自分をいじめていた相手に復讐するため、整形した加茂アイ(小島梨里杏)と、セレブとして人生を謳歌しているはずが、不幸のどん底にいた復讐相手・伊集院サクラ(君島光輝)。ふたりの再会から始まる“狂気の人間ドラマ”が話題を呼んでいます。
今回annaでは主演のおふたりに、撮影の裏側や作品に込めた思いをたっぷり伺いました。
( Index )
- 登場人物全員が狂っている……
- お互いが演じた素晴らしい“狂気性”
- 現場の癒やしはご飯と動物
- いつかふたりで巡りたい、大阪・奈良の旅
登場人物全員が狂っている……
物語は衝撃の展開の連続です。台本や作品に触れたときの印象について教えてください。
小島:
まず、『復讐相手がすでに不幸のどん底なんですが!』というタイトルからして「どういうこと!?」って思いました(笑)。こんな作品、あまり出会ったことなかったなと。実際に台本を読んでみたら、毎話復讐ができないままで……沸々と湧き上がる感情を抱えながら読み進めていきました。
君島:
私は、初めて台本を読んだときに「まともな人が一人もいない!」って思いました(笑)。登場人物、もれなく全員がヤバいという。唯一まともなのは……お母さんくらい?
小島:
お母さんも怪しいよ(笑)。
君島:
たしかにお母さんの怒りっぷりもすごいですもんね。
小島:
みんなそれぞれ、違う方向に突き抜けてる感じ。
君島:
“全員ちゃんと狂ってる”って印象でした(笑)。
そんな“狂った”キャラクターを演じるうえで、悩んだ部分は?
小島:
サクラが一番ヤバいんじゃない……(笑)?
君島:
ほんとに! 監督やプロデューサー、梨里杏ちゃんにもたくさん相談させてもらいました。梨里杏ちゃんには「こういうシーンって経験ありますか?」と聞いたり。自分の中の引き出しだけでは寄り添い方が分からなくて、いろんな人の力を借りながら、ようやくサクラという人物を掴めたような気がします。
小島:
サクラって、なかなか感情移入が難しい役だと思うんです。光輝ちゃんが果敢に挑戦している姿を見て、本当にすごいなと感じていました。私が演じるアイは、“復讐するために姿を変えて乗り込む”という、強い意志を持つキャラクター。突き抜け方にもどこか正義がある気がしていて。でも、復讐しに来たはずなのにどんどん翻弄されていくので、演じている私自身、とてももどかしくて。アイちゃんは基本“信じすぎる子”なんですよね。
君島:
そうだよね。

