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ヘブン先生は寒さ耐性ゼロ? 来週の『ばけばけ』で描かれる明治24年の厳冬 史実だと「ストーブなかった」「ウグイスの見舞い」

ヘブン先生は寒さ耐性ゼロ? 来週の『ばけばけ』で描かれる明治24年の厳冬 史実だと「ストーブなかった」「ウグイスの見舞い」


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

【画像】え…っ! 夫婦で立って並ぶと「なんか小っちゃくてかわいい」 コチラが小泉八雲さん(ギリシャ人)と小泉セツさん(日本人)の身長差です

ストーブもなかった極寒の松江

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 第9週45話の最後に流れた第10週「トオリ、スガリ。」の予告では、松江に冬が訪れた描写がありました。また、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」の未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が、寒さのあまり体調を崩してしまうようです。

 山陰地方の冬は今もかなり寒く、島根県にはスキー場も多数あります。45話放送後には、「松江の冬は寒いからねーーーヘブン先生耐えられるか」「松江の冬は本気、やからね、雪も寒さも」と、その寒さを知っている人から心配の声も出ていました。

 記録によると、ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーンさんの来日初年、1890年から1891年にかけての冬は、特に異常な冷え込みだったといいます。幼い頃はアイルランドで過ごしたものの、20代からアメリカ南部のルイジアナ州ニューオーリンズや、西インド地方の仏領マルティニーク島で過ごしていたハーンさんは、寒さへの耐性がなく、大変な目にあったようです。

 特に1891年1月14日からは猛吹雪が1週間近く続いたそうで、ヘブンの同僚で通訳でもある「錦織友一(演:吉沢亮)」のモデル、西田千太郎さん(松江中学の教頭)は、日記に「寒威積雪共に近年稀有なり」と記していました。また、ハーンさんから東京にいる日本学者の知人、バジル・ホール・チェンバレンさんへの書簡によると、最初の吹雪だけで5フィート(約152cm)もの雪が積もったそうです。

 そんな環境のなか、ハーンさんは1月中旬に気管支炎になってしまい、1週間以上も病床に伏すこととなりました。また、もとから身体の弱い西田さんも、1月27日から2月11日まで学校を欠勤しています。

 そんな状況のなか、ハーンさんに粋な贈り物をしたのが、「江藤リヨ(演:北香那)」のモデルである、島根県知事の娘・籠手田よし子さんでした。記録によると、よし子さんは1月18日に、ハーンさんへ見舞状と鳥かごに入れたウグイスを送っています。ハーンさんはこれに感激し、西田さんへの書簡で「これは本当に親切なことでお礼のことばもありません」と語っていました。

 そして、ハーンさんが回復した2月上旬、彼の家に女中としてやってきたのが、トキのモデル・小泉セツさんです。1891年8月頃にはハーンさんと夫婦になったセツさんは、後年の手記「思い出の記」で、
 
「出雲は面白くてヘルンの気に入ったのですが、西印度のような熱いところに慣れたあとですから、出雲の冬の寒さには随分困りました。その頃の松江には、未だストーヴと申す物がありませんでした。学校では冬になりましても、大きい火鉢が一つ教場に出るだけでした。寒がりのヘルンは西田さんに授業中、寒さに困る事を話しますと、それならば外套を着たままで、授業をなさいとの事でした。この時一着のオヴアーコートを持っていましたが、それは船頭の着る物だと云っていましたが、それを着ていたのです」

 と、ハーンさんがかなり寒さに弱かったことを語っています。ストーブもない状態では、かなりつらかったことでしょう。また、16歳で左目を失明してから酷使していた右目も、寒さによって視力が低下したそうです。

 ハーンさんは松江を愛していたものの、こういった寒さに耐えかねて熊本の高等学校への転勤を決めます。彼は1891年11月、セツさんと彼女の養父母らを連れて、松江を去りました。

『ばけばけ』第10週ではかなり寒そうな場面が続きそうです。史実とは違い、トキがヘブンの看病をするようなので、ふたりの距離も一層縮まるのではないでしょうか。また、錦織も病気になる可能性があり、今後が気になります。

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)、『小泉八雲 ラフカディオ・ヘルン』(著:田部隆次/中央公論新社)

配信元: マグミクス

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