複数チームによる白熱したタイトル争いが繰り広げられた、2025年のスーパーGT・GT300クラス。しかし2024年のシリーズチャンピオンであるJLOCの0号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)は、最終戦を前にタイトル争いから脱落してしまった。
2023年のシーズン途中から投入されたランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo2は、同年最終戦では小暮、元嶋組が優勝を飾ると、同コンビは翌2024年は驚異のパフォーマンスを見せた。なんと終盤3連勝を含む8戦4勝……優勝2回、2位2回という好成績を残したLEON RACINGを退けて、JLOCとして初のシリーズチャンピオンを手にした。
しかし今シーズンはその勢いが鳴りをひそめ、第7戦オートポリスで3位表彰台に上がるもそれが今季ベストリザルトに。連覇に向けてタイトル争いに加わることはできなかった。
JLOCの則竹功雄代表は、今シーズンは厳しい性能調整(BoP)によって苦しいシーズンになったと振り返る。特に則竹代表が「ショックだった」と語るのが、開幕戦岡山での性能調整。昨年の岡山戦では51mmx1となっていたエアリストリクター径が、48mmx1まで絞られた。
「岡山と富士の公式テスト2回は、SRO(GTワールドチャレンジ等のGT3レースを統括する組織)のスタンダードの51mmで走らせていただきましたが、開幕の1週間前に48mmというリスだという話になり……それでランボルギーニと相談したら、ランボルギーニの方がびっくりしていました」
「決定には従わざるを得ないわけですが、正直第1戦のBoPに関しては、何が起きたのか自分の頭と心の整理がつかないような状況でした」
スーパーGTにおけるFIA GT3車両のBoPも、SROが設定したものがベースとなる。SROは毎年、フランスのポール・リカールで指定のドライバーがテストを行ない、そこでのデータを基に各GT3車両の性能調整値を決めていくわけだが、スーパーGT・GT300クラスはSROカテゴリーとは違ってタイヤがマルチメイクであり、さらにはGTA-GT300(旧JAF-GT)といった日本独自の車両との混走になるため、性能調整は容易ではない。
GTAはそれらスーパーGT特有の状況について、各種データなどを用いてSROに報告。それを精査したSROがスーパーGTにおけるGT3車両のBoPを決定するわけだ。
則竹代表も、バラエティに富んだ車両が参戦するスーパーGTで性能調整をしていくのは頭の痛い作業であろうと関係各所の苦労を慮った上で、それでも前述の通り他のSROカテゴリーとは違ったリストリクターの数値になっている点を引き合いに出し、「正直申し上げるとSROのスタンダードのBoPは触るべきではないと個人的には思いますね」と私見を述べた。
「ちょっと今シーズンは……辛かったな」
また来季に向けて気になるのが、2026年から投入されるランボルギーニの新型GT3車両『テメラリオ』がスーパーGTでも見られるかどうかだ。
11月頭に行なわれたスーパーGT最終戦で取材に応えた則竹代表は、11月中には結論が出るはずだと語った。
「原則今月末までに、我々がランボルギーニと(テメラリオ使用について)コミットするかですね」
「来年の事業計画を彼らがどういう風に承認してくれるかです。我々としてもああしたい、こうしたいと彼らに伝えるわけですが、その一連の中にテメラリオは当然入ってきますよね」
則竹代表は、テメラリオには高いポテンシャルがあることを既に肌で体感したという。
「既にテストではバンバン走っていて、実際に僕も現地で見たのですが、クルマはかなりのレベルですね」
「とにかくエンジンが小さくて、横置きのミッションも小さい。ウラカンのミッションは大きいですからね。クルマは色々と簡単に取り外しができるようになっていて、良いクルマだと思いました」
いずれにせよ、ニューマシンはマイナートラブルやBoPに苦しめられるリスクもあることから、則竹代表は来季JLOCの2台のマシンを共にテメラリオにすることにはあまり積極的ではない様子。テメラリオを投入するなら、ウラカンEvo2のようにまず1台からかと尋ねると「そうなるか、とりあえず1台持ってきてテストするかですね」と答えた。

