EOS R6 Mark IIIと一緒に、RF45mm F1.2 STMを短期間だけお借りできたので、試してみた。本当は、絞ったらどうかとか、もっといろいろ試すべきなのだろうけど、借りている時間が限られていたこともあって、ついついこのレンズの特徴である『開けてボケる』写真ばかりを楽しんでしまった。
RF45mm F1.2 STM
https://personal.canon.jp/product/camera/rf/rf45-f12
わずか7年で、膨大なラインナップを備えるに至ったRFシリーズ
キヤノンがRFマウントと、EOS Rシリーズを発表したのが2018年。『もう』というべきか『わずか』というべきか迷うが、そこから7年の間にすっかり移行を果たした。『EFより基本設計を新しくしたRFの方が良い』ということに異論の余地はないだろう。
RFマウントの最大の特徴は、
・ショートフランジバック、大径マウント
・上記を前提とした大径非球面レンズなど補正の強化
・端子増で、情報量増。電子補正も強化
ということにある。
つまり、『開放でもシャープ』『色収差やコマ収差がほとんどない』など、レンズ設計者にとって、ある意味理想のレンズが実現できる。
なので、RF50mm F1.2、RF85mm F1.2、RF28-70mm F2、RF70-200mm F2.8など、初期に登場した圧倒的に高性能で、どこでも高解像度で収差がないレンズが『RFらしさ』として、アピールされた。
だが、それらのレンズは、大きくて、重くて、高価だ。そこで、次にラインナップされたのがRF24-105mm F4-7.1 IS STM、RF35mm F1.8 MACRO IS STM、R85mm F2 MACRO IS STM、RF 100‑400mm F5.6‑8 IS USMなどの、RFのデジタル補正能力と、手ブレ補正性能の高さを活かした、安価なのにほどほど高性能なレンズだ(思えば、筆者の持ってるのはだいたいこのライン)。
カジュアルなふりも出来る優等生
前者の『圧倒的高性能なレンズ』『RFの素性を生かした、安価で高性能なレンズ』はどちらも素晴らしいのだが、人というのはワガママなもので、そうなると『RFレンズには味がない』などと不満を言う。オールドレンズなどの人気は、ここに由来するのだろう。
RF45mm F1.2 STMは、それに対するひとつの答えなのだと思う。

つまり、RFの特徴である基本設計の良さと、補正能力の高さを前提としつつ、価格を抑えて、補正し切らない部分を残して『安くて、味のあるレンズ』を作ったということだ。

もちろん、オールドレンズのように途方もなく個性的な絵を作るわけではないが、これまでのRFレンズにない『個性』があるというわけだ。なにしろF1.2で6万6000円という安さなのだから、コスパは非常に高い。