●消費者が求める“ちょうどいいバランス”
24年に実施したBCNのアンケートによると、購入時に重視するポイントは、「価格」「ブランド」「音質」「ノイズキャンセリング」「デザイン」「再生時間」「装着感」の順でした。最も重視されるのは価格ですが、「安ければいいということではありません」とBCN総研のアナリストは強調します。続けて「同じ価格帯の中でも、機能とのバランスを見て選ぶ人が多いといえます。例えばノイズキャンセリングの有無や電池の持ちなど、自分にとって必要な機能を冷静に判断している印象があります」とのことです。
こうした価格と機能の釣り合いを探る購買行動が、市場の成熟を示しているともいえます。完全ワイヤレスイヤホンが登場したばかりのころは、「ワイヤレスで聴ける」こと自体が新しさでした。しかし今は、性能も安定し、比較しやすくなったことで、現実的で“納得感のある選び方”が主流になっているということです。
●定番はホワイトとブラック。ファッション性も広がる
デザイン面では、いまも「AirPods」の影響が色濃く残っています。最も売れているカラーはホワイト、次いでブラック。多くのメーカーがこの2色を必ずラインアップしており、結果として市場全体の構成比でもこの2色が大半を占めます。
BCN総研のアナリストによれば「色のトレンドには大きな地域差はありませんが、女性ユーザーは男性よりもカラーやデザインを重視する傾向があります」とのこと。アンケートでも、本体の色やケースのデザインを「購入時に重視する」と答えた割合は、男性よりも女性で高くなっています。
特別色や限定カラーの販売も一部で行われていますが、売上全体に占める比率は高くありません。ただし、限定モデルは「推し色」や「季節感」をきっかけに購入されることもあり、ファッションの一部としてイヤホンを楽しむ文化が少しずつ広がっています。

