●購入のタイミングにも“波”がある
販売が大きく伸びるタイミングは、「3月」「7月」「12月」の三つ。3月は新生活の準備に合わせてスマホを買い替える人が多く、それに合わせてイヤホンを購入するケースが増えています。7月と12月はボーナス商戦やセール時期が重なるため、まとめ買いやプレゼント需要が高まる傾向にあります。
また、購入チャネルを見ると、完全ワイヤレスイヤホンはテレビやPCと比べてネット購入の比率が高く、全体の3~4割を占めます。ECサイトで手軽に買える一方、実店舗では「音を試したい」「装着感を確かめたい」というニーズが多く、試聴体験が購買を後押ししているようです。
●成熟市場の“次の一手”
今後の展望について、BCN総研のアナリストは「完全ワイヤレスイヤホンはすでに完成形に近づいており、今後、大きな技術革新よりも付加価値の競争になります」と分析します。例えば、デザイン性、カラー展開、ブランド体験、アプリ連携の使いやすさなど。機能そのものよりも、使う時間をどう快適にするかが注目されていくでしょう。
また、ヘルスモニタリング機能やオープンイヤー型など、新しい方向性の製品も登場しています。ただし、これらはまだ限定的で、価格への影響が大きいことから普及には時間がかかりそうです。
「完全ワイヤレスイヤホンは、すでに誰でも使うものになっています。だからこそ、次に求められるのは自分に合うものをどう選ぶか。ブランドやデザインの魅力が、これまで以上に重要になっていくと思います」というのがBCN総研のアナリストの見解。ユーザーそれぞれのこだわりと楽しみ方という点で、完全ワイヤレスイヤホンは今も静かに進化を続けています。(マイカ・秋葉けんた)
■Profile
秋葉けんた
編集プロダクションのマイカに所属するITライター。雑誌、書籍、新聞、Web記事など、多岐にわたるメディアで執筆活動を行っている。特に家電やガジェット、IT関連の記事に豊富な実績があり、生成AIに関する書籍も多数手がけている。

