
「スタメンの座は危うい」なぜ主軸だった久保建英がバックアッパー降格の危機に陥っているのか。ソシエダ番記者が明かした“事情”「タケに依存する必要がなくなった」【現地発】
タケ・クボ(久保建英)は、2022-23シーズンのレアル・ソシエダ加入以来、イマノル・アルグアシルとセルヒオ・フランシスコのパズルにおいて常に最も輝かしいピースの1つだった。
前監督は卓越した選手であることを十分に認識していたため、あえて要求レベルを上げていた。現監督も全幅の信頼を置いて起用する考えを持って就任した。しかし今シーズン、タケの状況は変化した。それは才能の欠如でも、明らかなパフォーマンスの低下でもなく、“FIFAウイルス”というより対処が難しい問題によるものだ。その症状には、長距離移動、過密スケジュール、国際試合に指定されている期間における代表招集に応じる義務などが含まれる。
ファンというのはゲンキンなものだ。そんな中、不可能なことをタケに追い求めている。つまりチームのスター選手であり続けるだけでなく、ワールドカップイヤーとなる今シーズン、代表チームへの揺るぎないコミットメントを少し控えてほしいと願っているのだ。
いまソシエダが直面しているのは、遠く離れた国から、その卓越した実力ゆえに代表に招集される選手を獲得することで生じる困難だ。スペインがヤマルやオジャルサバルとの間で起こっているように、同胞たちは皆、その選手をこよなく愛し、自国のユニホームを着てできるだけ多くの試合に出場することを要求する。
もちろん自国の代表のために全力を尽くす選手を高く評価することは、チュリ・ウルディンのファンが毎日、青と白のストライプ柄のユニホームを着た選手たちに求めていることと同じであり、その点においては議論の余地はまったくない。しかし確かなのは、代表招集に端を発した様々な要因が重なり、タケのソシエダでのスタメンの座が危うくなっていることだ。
この問題は新しいものではないが、今シーズンは、足首の負傷の影響で騙し騙しのプレーを続けた末にズビエタでの練習中に悪化させ戦線を離脱している間、チームが進化し続けたことで、より顕著になっている。
どれほど優秀な選手であろうと、チームを離れると、マッチフィットネスやチームメイトとの連携が低下することは避けられない。タケは代表招集のたびにそれを繰り返し、しかも足首の負傷が追い打ちをかけた。
他の選手も、タケが不在の中、チャンスを活かしている。チームとって最大の美徳は、道中で遭遇する問題に適応できることだが、フランシスコのマネジメントもまたその状況を後押ししている。11月の代表ウィーク中、ズビエタ(練習場)残留組は、要求水準を引き上げ、より一層の激しい練習を課していることを認めていた。
采配についても、どころどころで疑問の余地はあるものの、原則原理に基づいて行われている。敵地パンプローナに乗り込んだオサスナ戦でもそうだった。指揮官のプランは残留組のザハリャンとゲデスをスタメンで起用し、後半途中でバレネチェアとタケを投入して勝負をかけようというものだ。そしてその采配が功を奏し、ソシエダは3-1で24年3月のグラナダ戦(3-2)以来の逆転勝利を収めた。
バレネチェアとタケがピッチに立ったのは、60分、ブライス・メンデスとゲデスのゴールでソシエダが逆転した直後だった。タケは試合に入るのに苦労した。SBのアランブルの後ろからのサポートが希薄で、ゲームメイカーとしての存在感を高めているゴロチャテギの素晴らしいプレーにもかかわらず、ボールを供給される機会が乏しかった。
68分のオジャルサバルのチャンスの起点となったうまくタメを作って出したゴロチャテギをフリーにするパス、73分の相手DFの間を通してメンデスに渡しカルロス・ソレールのシュートに繋がったパス、93分のGKセルヒオ・エレーラの正面に飛んだ十八番の右サイドからのカットインシュートと3度見せ場を作ったが、散発的に輝くにとどまった。
スペインには、「セビリアへ行った者はその座を失った」という有名な諺がある。タケに置き換えれば、その行き先は日本だ。ソシエダはここ数試合、十分な競争力を示し、スペインと日本を往復するたびに長旅の疲労や時差ボケに悩まされる選手に依存する必要がなくなっている。タケが日本代表での活動から帰還すると、控え選手としての立場を受け入れなければならないのはその自然な結果だ。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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