キャリーさせたいかすぐに転がしたいかでロフトを変える

ロフトの増減を利用したい状況のひとつめは距離。ロングパットは、ピッチ&ランで寄せるようなイメージ、ショートパットはランニングアプローチのようなイメージで打ちたいので、前者はロフト増、後者はロフト減すると距離感が合いやすいです。
また芝が長くグリーンが重い場合は、キャリーを増やすためにロフト増。芝が短く速いグリーンは地面の摩擦を使うためにロフト減がオススメです。
ピッチ&ランのイメージ!
ロングパット→ロフト増

ピッチ&ランで距離を合わせるイメージが出るとタッチが合いやすい

ランニングアプローチのイメージ!
ショートパット→ロフト減

ボールがフェースと接地する時間を長くしてしっかりヒットしたい

なるべくキャリーを増やす!
重いグリーン→ロフト増

芝に沈んでいるボールを拾ってキャリーを出すイメージだとスムーズに転がる
芝の抵抗を利用する!
速いグリーン→ロフト減

打ち出し直後からボールが受ける地面との摩擦を増やし、ボールが強く出るのを防ぐ
プロラインに乗せられるので入る確率アップ!
ロフトの増減は、曲がるラインに対して保険をかけたい場合にも役立ちます。ロフトを立てるとフェースがかぶりやすく、ロフトを寝かせるとフェースが開きやすいのを利用するのです。

フックラインではロフトを増やすことで引っかけるミスを減らし、スライスラインではロフトを減らすことで球のつかまりをよくし、押し出すミスを減らします。これによって入る確率が低くなるアマラインに外すミスが激減します。
引っかけ防止!
フックライン→ロフト増

ロフトを増やすとフェースが開きやすい。引っかけを防いで、ラインどおり右へきちんと打ち出せる
球がつかまる!
スライスライン→ロフト減

ロフトを減らすとフェースがかぶりやすくなる。左打ち出しからカップに向かって曲がっていくラインに乗せられる
アマラインに外しにくくなる

カップに届く前に切れて、カップから遠ざかっていくのが「アマライン」。ロフトを増減させると上の図のように、カップ手前で切れない「プロライン」に打てる

レッスン=吉本巧
●よしもと・たくみ/1980年生まれ。兵庫県出身。14歳で渡米しアマチュアプレーヤーとして活躍。プロとなってアメリカのミニツアーなどを転戦しつつゴルフを学ぶ。帰国後は国内でレッスンに従事。銀座ゴルフアカデミー主宰。
構成=鈴木康介 写真=相田克己 協力=取手桜が丘GC(アコーディア・ゴルフ)

