現地11月26日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガ2025-26シーズンの後半1節が行なわれ、男子日本代表の主将・石川祐希が所属するシル スーザ スカイ・ペルージャは、ヴェロバレー・モンツァとホームで対戦。セットカウント3-1(25-14、25-27、25-22、25-20)で2試合ぶりに白星を取り戻し、暫定首位へ返り咲いた。
ペルージャが世界クラブ選手権へ出場するため、当初クリスマス前に予定されていた後半戦の初戦が繰り上げで開催された。
開幕戦での対戦では、3-1で勝利を飾ったペルージャ。レギュラーシーズン2回目の顔合わせへ、先発はSがイタリア代表シモーネ・ジャンネッリ、MBにアグスティン・ロセルとセバスティアン・ソレのアルゼンチンコンビ、Lがマルコ・ガッジーニ(イタリア)、3日前の試合で体調不良により途中交代を余儀なくされたOPの元チュニジア代表ワシム・ベンタラが無事に回復してスターター入りした。OHにはポーランド代表カミル・セメニウクと元ウクライナ代表・オレフ・プロトニツキを起用し、石川はベンチで迎えた。〈S:セッター、OH:アウトサイドヒッター、OP:オポジット、MB:ミドルブロッカー、L:リベロ〉
今季はまだ白星1つで12チーム中11位と苦しい前半戦を送るモンツァ。4連敗から脱出を目指す一戦の先発に、Sはドイツ代表ヤン・ツィマーマン、OHはフィンランド代表ルーカ・マルッティラをベンチにとどめてブルガリア代表マルティン・アタナソフとシーズン序盤の故障から戦線復帰したドイツ代表エリック・ロアース、MBに元イタリア代表トーマス・ベレッタとミラノ時代に石川のチームメイトだったレアンドロ・モスカ、新加入のOPクリスティアン・パダル(ハンガリー)とイタリア代表として2022年世界選手権を制したLレオナルド・スカンフェルラで布陣を組んだ。
第1セットは前半からブレーク8回、後半に5回を加えて大差で試合を先行したペルージャ。第2セットも中盤までに最多6点のリードをつけて安泰かと思われた。だが、被ブロック3本と誤打で2点差まで巻き返しを許して迎えた終盤に、24-22からセットポイントを2度にわたり取り損ねてデュースへ。その後、ソレの打球がブロックに阻まれ形勢逆転。ペルージャは25-26でプロトニツキに替え石川を投入するが、レセプションで失点を招いてこのセットを譲り渡した。
第3セットもセメニウクのエースなどで立ち上がりから前に出る。しかし、プッシュを多用して粘る相手を突き放したいところでサーブやレセプションのミスが頻発。足踏みしながらも、アタッカー陣の中で好調を維持するベンタラの3連続得点でリードを守りきりセットを連取した。第4セットは、中盤からサーブでたたみ掛けリードを9点へ広げる。終盤にかけて被ブロックや誤打でブレーク4回を献上するも、モンツァの追撃はそこまで。大量リードを味方につけたペルージャが、2試合ぶりの勝利を手にした。 試合後、今季最短の出場時間で試合を終えた石川にインタビュー取材を敢行した。第2セットの最終局面、相手のセットポイントで投入されたがレセプションを上げ切ることができなかった場面に言及しながら、このように戦いを振り返った。
「(コートサイドにいる時間がほとんどだったのは)久しぶりでしたね。正直、今日は出番がないかなと思いながら観ていたんですけど、2セット目の最後に交代してレシーブをミスしてしまったので。なかなか難しい交代ではありましたけど、そこは反省点です。プロトニツキ選手はレシーブがそんなに悪くなかったですし、むしろフローターサーブに対しては一番返せていたのでここで交代かと...」
予想外の起用だったことを明かした後、さらにこう続けた。
「でも、そこで出てエースを取られてしまったので僕の準備不足と、実力不足だったなと感じています」
気になるのは、OH陣2選手の低迷だ。ここまでの9試合でアタック決定率50パーセント超えは、石川が開幕戦での77パーセントを含む5試合。一方、セメニウクとプロトニツキはそれぞれ1試合のみだ。セメニウクはこの日に落とした第2セットが18パーセントで試合通算でも21.4パーセントに終わり、安定したサーブでの貢献度はチームトップだが、攻撃面では決定率30パーセント以下が5試合目となった。プロトニツキもこの日は被ブロック4本にエラー3本で39.3パーセントにとどまった。
「今日に関してもプロトニツキ選手は1、2セット目の決定率が非常に低かったと思いますし、セメニウク選手も2セット目以降からちょっと落ちてきてしまったので。そこはチームの課題かと感じています。僕もトレンティーノ戦では30パーセントに届いていなかったので。あの試合はベンタラ選手の交代でOH3人になって、僕はS1でライトから打つのがほぼ久しぶりだったので満足のいく決定率を残せなかったですけど、ここから上げていかなければいけないなと思っています」 これまで以上に速いテンポへの意識が伺える司令塔ジャンネッリからの配球。低くなりがちなセットにOH2選手の決定率が関係していないか?と訊いてみた。
「練習中はそんなことはないですけど。ただパイプに関しては、練習中もちょっと合っていないところがあったりするかな。見ていてハイボールとかアタックラインより後ろのボールの決定率が少し良くないと思うので、修正しなければいけないところだと思っています」
「僕個人としては、トレンティーノ戦以外の試合は決定率で割と高い数字を残せているので、それを維持したいなと思います。欲を言えばミスとシャットが少し多いかなと。特に途中から出場した時のパフォーマンスを今シーズンは上げられていないので、そこは僕の課題かと思っています」
2連敗の後、新たな武器の必要性に言及したアンジェロ・ロレンツェッティ監督。この試合への準備で何か動きはあったか?の問いにはこう回答した。
「いや、特には。(今のところ)そんなにやってることは変わらないです。(1-3で敗れた)トレンティーノとの試合に関しては、ピアチェンツァ戦と同じ形(2セットダウン)になったので難しい試合だったとは監督も言っていました。3セット目の途中から少しプレーが安定し始めたんですが、審判の判定だったりプレー以外のところでストレスを感じすぎていると(モンツァ戦前の)ミーティングで言われたので常に頭はクリアにしなければいけないなと感じています」
この後、12月中旬からブラジルで開催される世界クラブ選手権まで中2、3日で5試合をこなすハードスケジュールが待ち受ける。
「常に高いパフォーマンスでプレーしたいです。それをできるように準備して行くことはもちろんですけど、試合が続いて修正を2日、3日でやらないといけないので、コンディションをまず第一に考えながら練習に臨みたいです。試合でベストなパフォーマンスへ持っていけるように準備したいと思います」
この試合の起用については実戦で選手の調子アップを図りたいチームの方針で、石川のコンディションは上々とのことだ。
ペルージャの次戦は、レギュラーシーズン前半8節(日本時間12月1日の午前2時開始予定)。垂水優芽が所属するチステルナ・バレーとホームで対戦する。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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