大逆転での2025年F1ワールドタイトルを狙うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。カタール、アブダビの2戦でランド・ノリス(マクラーレン)を逆転できるかどうか、非常に際どい状況にあると言えるが、仮に僅差でタイトルを逃したとしても特定のレースを原因に挙げるつもりはないようだ。
そもそもフェルスタッペンにとっては、シーズン前半戦にマクラーレンが圧倒的な強さを見せていたことを考えれば、残り2戦でタイトル争いに踏みとどまれていること自体が驚くべきことだ。一時はポイントリーダーから100点以上の差がついていたが、後半戦に猛烈な追い上げを見せたことで首の皮一枚繋がっている。
4度のF1ワールドチャンピオンであり、現役ドライバーの中で最強と目されるフェルスタッペンでなければこの驚異の追い上げは実現できなかったかもしれない。ただそんな彼が唯一反省点に挙げているのが、6月のスペインGPだ。
スペインGPのレース終盤、セーフティカーリスタート時にハードタイヤを履かされたフェルスタッペンは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に交わされ3番手から4番手に落ちると、1コーナーではジョージ・ラッセル(メルセデス)と交錯し、エスケープロードを通りながらポジションをキープした。
レッドブルはスチュワードからポジションスワップの指示が出ると予想し、フェルスタッペンにラッセルを前に行かせるよう指示。ただ、実際にはその必要はなかった。冷静さを失ったフェルスタッペンはそれに反発し、一度スロー走行してラッセルに道を譲るかのような動きを見せつつも、ターン5で接触。これで10秒のタイムペナルティを科されてしまった。
ラッセルと4番手を争っていたフェルスタッペンは、ペナルティにより10位に降着。したがって、フェルスタッペンは少なくとも9ポイント、もしくは11ポイントを不用意に失ったとも言える。彼はF1TVに対して、このことを後悔していると語った一方で、シーズンの行方を左右するものではなかったとの考えを示した。
「あの状況に至った背景も理解してほしい」
「あの時は、僕が何というか……怒ったような瞬間があったけど、その前にも僕たちはいくつか間違ったことをしていた。気にしすぎかもしれないし、『まあ終わったことだ』と言うのは簡単なんだけど、僕はそういう人間じゃない」
「もちろん、振り返るとあれは良くなかった。でも、もし最終的にチャンピオンを逃したとしても、あの一件が『あれのせいで負けた』と言われるようなものではない。敗因を挙げるとしたら全体的なパフォーマンス不足だ」
フェルスタッペンは「ほとんどの週末で限界まで結果を出してきた」と振り返る一方、ここまでタイトル争いに残れているのはマクラーレン勢の取りこぼしにも助けられた部分があると認める。実際、ピアストリやノリスは同士討ちや個人のミスによって多くのポイントを失っており、ラスベガスでもスキッドブロックの摩耗により2台失格の憂き目にあった。
「もしそうならなかった(タイトルを獲得できなかった)としても、僕の人生は変わらない」とフェルスタッペンは言う。
「もし5回目を獲れたらそれは最高だ。ただ現実的になるべきだ」
「僕たちが今もタイトル争いに残れているのは相手にミスがあったからで、シーズン全体を通した僕たちの成果とは言えない」
「僕たちはよくやった。さっき挙げたレースを除けばほぼ全てのレースで最大限の結果を残せた。もし僕たちがあのような支配的なマシンで走っていたら、タイトル争いなんてとうの昔に終わっていたはずだ」

