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【ロングインタビュー】「M-1グランプリ」に初チャレンジした日本最南端の漫才コンビに離島ならではのお笑い事情を聞いてみた

【ロングインタビュー】「M-1グランプリ」に初チャレンジした日本最南端の漫才コンビに離島ならではのお笑い事情を聞いてみた

・海に向かってネタ合わせする日々

──その日のライブのウケを左右するネタ合わせ。内地の芸人なら事務所に所属している人たちは、それぞれ特定の場所があると聞いたことがあるが、島唯一の芸人「ババスペ」が、どんなネタ合わせをしているのか? を聞いてみた。


耕平「ちなみにここ(八島海岸)で、いつもネタ合わせをされてるって聞いたんですけど」


代打れおさん「僕らには事務所も何もないので、ここに集まってぼそぼそとネタ合わせをしてます」


英治郎さん「あっちの海に向かって」


耕平「どんな感じでやってるんですか?」

代打れおさん「いや、もう普通にこうやって座って、大体ネタ考えたりするんですよ。最初どうするかみたいな感じで」


耕平「何時くらいにやってるんですか?」


代打れおさん「夜ですね。7時半ぐらいから9時ぐらいまで」


耕平「基本的には、ほぼここで?」


代打れおさん「ここですね。今月のネタをどうするかって話をして、いろいろ固まったら、もうあっちに向かってネタ合わせしてます」


耕平「夜って、この辺に人いたりするんですか?」


代打れおさん「結構いるんですよ、デートスポットでもあるので。なんで高校生とか学生のカップルとかが下でイチャイチャしてるのを横目に……」

「ど~も~ババスペです!」って感じで

・全国区を目指して

──今は離島芸人として、石垣島を中心に活躍しているババスペ。そんな2人が、これから全国区で売れ出した未来の先にどうなりたいのか? を聞いてみた。


耕平「これから将来どうなりたいとかってあります? 例えば全国区とかも狙ってると思うんですけど、すごい売れ出したら関東に住んだりとかっていう可能性はあるんですか?」


代打れおさん「それで言うと、やっぱもう賞レースでM-1にもずっと出たりして、この石垣島のコンビっていうやつで売れて、どんどん出ていけば、もう本当にあっちに行きたいっていうのはありますね。って、あれ? お前はないの??」


英治郎さん「俺は石垣に住みながら、仕事が欲しい」


代打れおさん「だから、もうその上よ。全国的に売れたらだから」


英治郎さん「いや、俺は全国的に売れても石垣から出たくない」


代打れおさん「こんな意見相違する? どうすんの?」


英治郎さん「島を潤わせないといけないから」


耕平「ああそういうことか。今の流れでいうと、英治郎さんの方がすごくいい感じに映ってますよね」


代打れおさん「じゃあ、僕もそっちで行こう」


英治郎さん「いや、お前は都会に魂を売るってことで(笑)」


代打れおさん「待て! 一気に悪いやつみたいになってるじゃない。でもやっぱ売れたいっていうのはすごいあります」


耕平「石垣島って、島の名前自体は全国的に有名じゃないですか。そこからのお笑いっていう文化みたいなのは広げていきたい部分はありますよね。「石垣にもお笑いはあるよ」っていう感じで」


代打れおさん「メッチャ広げていきたいんですけど、ちょっと問題点があるんですよね」


耕平「その問題点とは?」

代打れおさん「問題というか沖縄の芸人って結構沖縄をネタにしたりだとか、沖縄の方言を使って笑いを取ったりする人が結構多いんですよね。僕らはそんなふうに方言をいっぱいしゃべったりだとか、沖縄のことや石垣のことをよく知っている……みたいな感じではないので、そこを武器に戦っていけないっていうか何ていうんだろう……」

英治郎さん「お前、それ先輩への文句だろ?」

代打れおさん「いや、待て!」

代打れおさん「文句なんて一言も言ってないよ。じゃなくて、やっぱ石垣島ネタだけじゃ全国で通用しないかもしれないし、そこを使わなくても笑いを取れるように、どこでも通用するネタの方でやっていかないといけないなって」

英治郎さん「今は島以外のネタの方が多いんじゃないですかね?」

耕平「でも、石垣島の漫才コンビという売りとのバランスが難しいですよね」

代打れおさん「そこがね、やっぱりバランスが難しいんですよね。正直やっぱ石垣でお笑いライブやって、石垣島のネタの方がやっぱウケるんですよ。地元だし、親近感湧くし。だからそこが今葛藤じゃないですけど、ちょっと悩んでる部分というか……ちゃんと、この島を武器にしなくても笑いを取れるようにしたいです。地力を付けないといけない期間なんで」

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