冬の服選びで主役になりがちなのは、ダウンやコートといったアウターだが、実は快適さを最も大きく左右するのは、肌に直接触れるインナーだ。外に出れば北風が刺さるように冷たく、電車に乗った瞬間に暖房で汗ばみ、オフィスに着く頃にはその汗が冷えて一気に体温を奪う。冬の不快さの正体はまさにこの「温度差」であり、その意味でインナー選びは重要なのである。
そこで多くの人が候補に挙げる「ユニクロ」「ワークマン」「無印良品」から代表的な商品を取り上げ、それぞれの特徴と違いを比較してみたい。
まず王道は、ユニクロの「ヒートテック クルーネックT(長袖)」だ。990円から1290円前後と手に取りやすく、さらに保温性を重視するなら「超極暖ヒートテック(2990円)」という上位モデルが用意されている。いずれも薄手で重ね着の邪魔をせず、スーツスタイルにもカジュアルにも自然に馴染む汎用性は圧倒的だ。
寒さがそれほど厳しくなく、毎日の服装をあれこれ悩まずに「とりあえず快適に過ごしたい」という人であれば、迷わずこのラインを選んで大きな失敗はない。ただし、暖房の効いた室内で過ごす時間が長い日や、移動が多い日などの汗をかきやすい環境では、体質によってはやや蒸れが気になる、との指摘がある。
汗冷え対策に力を発揮するのは、「発熱×速乾」機能を備えた高機能インナーがあるワークマン。「シン・ホッとするインナー」シリーズやメリノウール素材のアイテムなど、価格帯は概ね1000円から2500円前後と非常に良心的だ。
もともと作業現場やアウトドアでの使用を前提としたブランドだけに、体温が上がった時に素早く汗を逃がし、汗冷えを最小限に抑える性能は心強い。通勤で地下鉄から屋外へ出たり、暖房の効いたオフィスと寒い屋外を何度も行き来したりする人、あるいは外回りが多く体温変化の大きいビジネスパーソンにとって、これは重宝するのではないか。
これに対し、肌への優しさで支持を集めているのが無印良品である。代表的な「あったか綿インナー(長袖)」シリーズは、クルーネックの長袖Tシャツであれば1490円前後、厚手タイプでも1990円程度が目安。化繊特有のチクチク感が少なく、静電気が起きにくいのが特徴だ。綿主体の柔らかな生地は長時間着ていてもストレスが少なく、乾燥で肌荒れしやすい冬には特にありがたい存在と言える。
万能で迷いの少ない選択肢を求めるならユニクロ、汗ばみやすい体質や寒暖差の激しい日々を送る人にはワークマン、肌への優しさや綿素材の安心感を最優先したい人には無印良品。「最強のインナー」はひとつだけと決まっているわけではなく、体質や生活環境、好みの組み合わせによって変わってくる。
アウター選びに頭を悩ませる前に、まずはインナーを見直してはどうか。自分の体質や生活リズムに合った一着を選べば、冬の日常は驚くほど快適になる。
(ケン高田)

