突然だが、皆さんは美味しいポン酢を食べたことがあるだろうか? 当サイトでは、以前からポン酢好きによるレポートをお届けしている。例えば沖縄の離島で作られた『ウムわれポン酢』や、高知県馬路村の『赤キャップ』など。
筆者自身もこれまでいろんなポン酢を食べたと自負しているのだが……このたび、新たに美味しい商品を発見してしまったのでご紹介しよう。
ただし、ひとつだけ “普通じゃないこと” がある。それは、このポン酢を製造しているのがまったく異業種の会社という点である!
・堺で出会ったポン酢の自販機
それは、大阪の堺市内を移動していた時のこと。紺色の建物の前に見慣れない雰囲気の自動販売機が設置されているのを見かけた。
一度は通り過ぎたのだが、やっぱり「アレはなんだったんだ?」と気になって戻ってみることに。すると……
おぉっ、ポン酢専用の自販機だ!
ポン酢の自販機といえば、以前大阪 鶴橋にも設置されていることを当サイトでも取り上げた。自分で書いていてなんだか妙な気もするが、現代の日本ではすでに「調味料を自販機で売ること」自体は特別なことじゃなくなっているのかもしれない。
だが、筆者が驚いたのはここからだ。というのも、この自販機が設置されていたのが飲食店でも 商店街でも 小売店でもなかったから。
建物に書かれていたのは「Isekimetal」という文字。
日本語に直すと井関金属。そう、ここは金属スクラップの売買や溶解などを業務とする金属・産業会社。一見すると、ポン酢どころか食品全般と縁もゆかりもなさそうなザ・工業系会社の社屋前なのであった。
もちろん、筆者は当然のように疑問を持った。なんでこんなところでポン酢が売られているんだ?
・社長がイチから製造をスタート
その答えは、自販機に近づいてすぐにわかった。機体に書かれていた内容は次の通り。
「食べ歩き好きの社長が自社工場まで作ってしまった至高の1本」
……なるほど。突拍子がなさ過ぎて納得はしにくいが、事情はわかった。このポン酢は食品会社でもなんでもなく、社長がポン酢を好き過ぎるあまりイチから工場を立ち上げた物好きな金属・産業会社によって製造されているんだな。んで、この自販機は直売所ってワケだ。
なおポン酢を製造しているのは井関金属ではなく、その親会社である柳金属という会社らしい。
やはりと言うべきか、業界と商品のミスマッチぶりからテレビ取材を受けたこともあるそうだ。
せっかく巡り会ったので、筆者も1本いただいて帰るとしよう。ポン酢の価格は700円、現金オンリーでの販売なのでご注意を。
自販機のボタンは1~10まであるが、どれを押しても出てくるのは同じポン酢だ。てきとうに2番のボタンを押すと……
『柳金属の生ポン酢』をゲット!
パッケージはシンプルだが、瓶の中には柚子由来の黄色い成分が浮かんでいて期待が高まる。コレは美味しい予感がするぞ!!
