Sneaksは将来のアドビ製品に搭載するために開発されている機能をプレゼンするイベント。拍手が多かったり、SNSでのシェアが多かったりすると、開発速度が速まるという。実際Illustratorのβ版に搭載されている『ターンテーブル』は昨年のProject Turntableだし、Photoshopに搭載された『調和(harmonize)』はProject Perfect Brendが製品化されたものだ。今年は、どの機能が搭載されるだろうか。発表された中から、特に筆者が気になったアプリ3つ+1をご紹介しよう。
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#AdobeMAX 2025 Sneaks | Adobe
写真に写ってるものを回転させる!?——Project Turn Style
昨年、『スネ夫の頭を回転させたらどうなる?』と日本でも話題になった Project Turntableは、平面のベクターデータを立体物のように解釈して回転させるものだったが、今度はその機能のPhotoshop版。なんと、写真に写っているものを回転させる機能だ。
例えば、ハロウィンのお菓子を貰って帰る子供たちを回転させて、今からお菓子をもらいに行くかのような向きに配置替えすることができる。

もちろん、完全に写ってないものを表現はできないし背中を向けている人の顔を描画することはできないだろうけれど、一般的な風景に写っている木々や、岩、家具の向きを変えるのはかならずしも難しいことではないだろう。実際、撮影物を合成する時などにも、わずかに回転させることができたら便利なことは多いはず。
デモではもちろん実演されたが、かなりの精度で動いていた。

このイラストの鳥の頭が、クルリとこちらを向く有り様はシュールですらある。
ライティングを自由に変更できる——Project Light Touch
写真というのは光が描くものだから、つまりはライティングが写真を描くということでもある。Photoshopで複数の写真を合成する時の違和感はライティングの違いにある。どちらから光が当たっているのか、光は柔らかい(面光源)のか、硬い(点光源)のか、光源は複数あるのか……など、ライティングの設定によって写真は決まると言って良い。
そのライティングを自由にアレンジできるという機能がProject Light Touchだ。

麦わら帽から漏れた光が複雑に当たっている写真を、ディフューザーをかけて柔らかくしたようなライティングに変更できた。そればかりか光源の位置を自由に変更できる。
次のデモでは、光源の位置を自由に変更した上に、最後にはジャック・オ・ランタンの中に動かして見せた。まるでジャック・オ・ランタンの中にロウソクがあるかのように、ちゃんと動作した。

どのぐらいのリアリティを持って動作するのかはわからないが、これもちょっとした補正に使うぐらいの感じで利用すると、かなり効果的に使えそうだ。