カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで、F1第23戦カタールGPの決勝レースが行なわれた。優勝はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。
2025年シーズンのF1は、残すところあと2戦。カタールGPの時点でチャンピオン争いは3名に絞られており、土曜のスプリント終えた時点でランド・ノリス(マクラーレン)が396ポイント、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が374ポイント、フェルスタッペンが371ポイントとなっていた。大きなリードを築くノリスは、このレースの結果次第では最終戦アブダビGPを待たずしてタイトルを決められる可能性があった。
予選でもこの3人が上位グリッドを占め、ポールポジションがピアストリ、2番グリッドがノリス、3番グリッドがフェルスタッペン。ノリスは優勝すれば無条件でチャンピオン決定で、逆にピアストリかフェルスタッペンがノリスの前でフィニッシュすれば、決着を最終戦に遅らせることができるという状況だった。
今回のレースウィークではタイヤ1セットあたりの最大周回数が25周に設定されており、57周の決勝レースでは2ストップ以上が確定。多くのドライバーがスタートタイヤにミディアムを選択する中、各車のレース戦略も注目された。
スタートではピアストリが順当に先頭で1コーナーを抜けると、フェルスタッペンがノリスを抜いて2番手に浮上。スプリントで5位に入るも予選で苦しみ15番手スタートとなった角田は、中団の激しいポジション争いの中で順位を落とし、16番手でオープニングラップを終えた。
首位を走るピアストリが快調にリードを広げていた7周目、入賞圏を争っていたピエール・ガスリー(アルピーヌ)とニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)がターン1で接触。ヒュルケンベルグのマシンがストップしてしまったことで、セーフティカー(SC)が出された。
このタイミングで、ほぼ全車がピットイン。残り周回は50周であり、このSC先導中に1回目のピットストップを済ませてしまえば、あとは残り25周でもう1度入ればタイヤ周回数制限の範囲内ギリギリで2ストップ戦略を完遂させられるからだ。ただマクラーレンの2台は戦略の柔軟性が失われることを嫌ったようで、ステイアウトを選択。レースの大きな分岐点と言えた。
11周目にレースがリスタートされると、ピアストリとノリスは1分25秒台のペースで後続を離しにかかった。同じく25秒台のペースでついていけているのは3番手のフェルスタッペンだけで、4番手カルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)と5番手アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が26秒台。6番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は27秒台で、そこから後ろがトレイン状態となっていた。角田はそのトレインの中、12番手だった。
24周目、トップを走るピアストリがこの日1回目のピットイン。“アロンソトレイン”の前でコースに復帰することができた。次の周に入ったノリスもギリギリのところでアロンソの前に入り込むことに成功。これで全車が1回目のピットストップを終え、フェルスタッペン、サインツJr.、アントネッリ、ピアストリ、ノリスのオーダーとなった。
フェルスタッペンが後続に15秒以上の差をつけて独走する中、2番手サインツJr.の後ろにはアントネッリを攻略したピアストリが迫る。そしてアントネッリの後ろにはノリスが迫る中、運命の32周目を迎えた。ここで各車が一斉にピットに傾れ込んだ。これで再び、ピアストリとノリスは前が開けた。
あと1回のピットストップを残すマクラーレン勢。とにかく飛ばしてライバルとのギャップを広げたいところだが、フェルスタッペンのペースは速く、そうはいかない。特にノリスは軽くコースオフしたこともあり、トップのピアストリと7秒の差が開いたばかりか、背後にフェルスタッペンが接近する形になってしまった。
そんな中、ピアストリは残り15周でピットイン。ハードタイヤに交換し、フェルスタッペンの17秒後方での復帰となった。一方、フェルスタッペンを抑え込んでいたノリスは2周後にピットインすると、フェルスタッペン、ピアストリ、サインツJr.、アントネッリの後ろ、5番手に落ちてしまった。
結局ピアストリは、17秒という大きすぎるギャップを詰めることはできず、フェルスタッペンがトップチェッカー。今季7勝目を挙げた。ピアストリは8秒差の2位でフィニッシュ、3位にはサインツJr.が入り、今季2度目の表彰台。ノリスはアントネッリのミス(?)によりポジションを上げたが、サインツJr.までは攻略できず4位だった。
角田はレース終盤に11番手を走行し、前を走るリアム・ローソン(レーシングブルズ)を追いかけていたが、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)のトラブルによりポイント圏内に。ローソン攻略はならずも、10位入賞を果たした。
チャンピオン争いは、ノリス408点、フェルスタッペン396点、ピアストリ392点。最終戦を前に、3者の差は縮まった。依然としてノリスが優位な状況であり、3位以上で自力で王座を手にすることができるが、全く気が抜けない展開となった。またフェルスタッペンは、一時ポイントリーダーと100点以上の差がついていたにもかかわらず、タイトル5連覇が現実味を帯びた形だ。

