日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は手足が寒さで凍えて思うように動かなくなる現象です。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
【漢字の由来と語源】
「悴む(かじかむ)」の有力な語源には以下の2つの説があります。
●「かじける」説
古語の「かじける」(凍りつく、固くなる)が変化したという説。寒さで手足がこわばる様子を表すのに近い意味合いです。
●「かじる」説
寒さで皮膚がひび割れて、「かじる」ように痛む様子からという説。
また、「悴」の字の「忄(りっしんべん)」には心の動きや感情を表す意味、旁(つくり)の「卒」には衣服がすり切れる、弱る、衰えるなどの意味があり、寒さで手足がこわばったり、皮膚がひび割れて痛んだり、気分が沈んだりする様子を表すためにこの字が使われたようです。
【悴む(かじかむ)に関する豆知識】
●医学的な原因
かじかむ主な原因は、寒さによる末梢血管の収縮です。これにより手足など末端への血流が減少し、温度が低下することで感覚が鈍くなります。
●かじかみやすい場所
手や足の指、耳、鼻など、体の末端部分や露出している部分ほど、かじかみやすい傾向があります。
また、こうした場所を手袋やマフラー、靴下などで防寒対策をしっかり行うことが、かじかみの予防に効果的です。また、体を動かして血行を促進することも有効です。
●しもやけとの関係
かじかみが悪化すると、しもやけになることがあります。しもやけは寒さによって血管が炎症を起こし、かゆみや痛みを伴う皮膚の炎症です。
●急激な加温は危険な場合も
かじかんだ手足を急に熱いお湯などで温めると、血管が急激に拡張し、血圧の変動や気分が悪くなることがあります。特に凍傷の疑いがある場合は、ぬるま湯から徐々に温めるのが安全とされています。
●動物の冬眠と似た原理?
厳密には異なりますが、かじかむ現象は、体が体温を維持しようと末端の血流を抑えることで、エネルギー消費を節約しようとする生体反応です。これは、動物が冬眠時に体温を下げて代謝を抑えるメカニズムと、体温調節という点で共通する部分があります。
