逆回転はすぐそこだ
私は確信に近い感覚で捉えている。壮絶な逆回転は2年以内に訪れる。それは予言ではなく、長年先送りされてきた痛みが、いよいよ決済されるという事実にすぎない。
円安、株高、国債、日銀、財政、政治、心理、そのすべてが同時に裏返る瞬間であり、これまで覆い隠されてきた幻想が一気に剝がれ落ちる局面が必ず訪れる。それは恐怖ではなく、本来向き合うべき痛みの正常化である。
しかし、この国が痛みと向き合う覚悟を持たないまま迎える逆回転は、通常よりもはるかに激しく深いものになるだろう。
還暦を過ぎた私にとって、その瞬間は人生最後にして最大の投資機会となる。その一方で、私はこの国がようやく現実と向き合う瞬間をどのように迎えるのかを静かに見届けたいと思っている。
日本に必要なのは補助金でも延命策でもなく、ただ一つ、痛みと向き合う覚悟である。そして、その覚悟がどこにも見当たらないという現実こそ、この国の最大の危機なのだと私は思っている。
だからこそ私は、静かに結論づける。逆回転の足音は、すでに聞こえ始めている。
文/木戸次郎

