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〈『ほいたらね』が流行語大賞ノミネート〉『じぇじぇじぇ』や『はて?』だけじゃない、流行彩った歴代朝ドラヒロインの決め台詞 初代大賞は、伝説の朝ドラから生まれたあの言葉…

〈『ほいたらね』が流行語大賞ノミネート〉『じぇじぇじぇ』や『はて?』だけじゃない、流行彩った歴代朝ドラヒロインの決め台詞 初代大賞は、伝説の朝ドラから生まれたあの言葉…

2025年の「新語・流行語大賞」のノミネート30語が決定し、12月1日に大賞が発表される。候補には「ミャクミャク」「国宝」「クマ被害」などインパクト強めのワードが並ぶ中、今年度の朝ドラ『あんぱん』からも「ほいたらね」が選出された。

 

「じぇじぇじぇ」や「はて?」など、たびたびノミネートされてきた朝ドラヒロインの決め台詞だが、いつから定番化していったのか。朝ドラ評論家とともに、その歴史を振り返る。

朝ドラは流行語が“豊作”つづきの状態

アンパンマンの生みの親・やなせたかしとその妻・暢(のぶ)をモデルにした2025年度前期の朝ドラ『あんぱん』。高知を舞台に「たっすいがー」や「たまるか」など、数々の土佐弁ワードが展開されたが、流行語にノミネートされたのは、「またね」を意味する「ほいたらね」だった。

この選出理由について、朝ドラ評論家の半澤則吉さんが解説する。

「『ほいたらね』は、劇中の台詞のみならず、ナレーションでも多用されました。語りを担当した林田理佐アナウンサーの多種多様な『ほいたらね』が注目されただけでなく、ヒロインの祖父・釜次が亡くなったシーンでは、『ほいたらね』のナレーションが釜次の声に差し替えられるなど、出演者とうまく絡めてSNSで話題を呼んでいたのも選出理由の一つでしょう」

近年では、2013年の『あまちゃん』のヒロイン・天野アキによる岩手県北三陸地方の方言「じぇじぇじぇ」の大賞受賞を皮切りに、2014年『花子とアン』から「ごきげんよう」、2016年の『あさが来た』から「びっくりぽん」、2024年『虎に翼』から「はて?」がノミネートされるなど流行語が“豊作”つづきの状態だ。

「『あまちゃん』ブームをきっかけに、ヒロインの口癖や決まり文句が定番化していきました。特に方言の台詞が注目される朝ドラでは、その“象徴”として話題性を作り、繰り返すことで面白さや親和性が生まれる。さらにドラマの方向性を決めるナレーションで多用することで、人々の記憶に刻まれやすい効果もあります」(半澤さん、以下同)

流行語は、ヒロインの決め台詞だけにとどまらない。2010年には『ゲゲゲの女房』ヒットの象徴として『ゲゲゲの~』が大賞を受賞。2022年は『ちむどんどん』から「#ちむどんどん反省会」が選出され、今では放送後の「#朝ドラ反省会」がSNSで定番化した。さらに2023年の『らんまん』では、ラストシーンで植物図鑑に掲載された植物名「スエコザサ」も選ばれた。

第一回の流行語大賞は、伝説の朝ドラから生まれたあの言葉

記念すべき第1回となる1984年の「新語・流行語大賞」。その大賞に輝いたのも朝ドラから生み出された言葉だった。

それは平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%という国民の半数以上が見続けた“伝説の朝ドラ”『おしん』から生まれた言葉「オシンドローム」。

「オシンドローム」とは、「凄まじい苦労の連続に耐え、それでも明るさを失わない主人公・おしんの姿が、戦後を働きぬき、豊かさを手に入れた日本人の心情に共感の嵐を巻き起こし、全国民の感情が同一にシンドローム化している」という意味で、アメリカの雑誌で表現された際に生まれた言葉だ。

また1996年度後期の『ふたりっ子』では、劇中に登場した演歌歌手・オーロラ輝子(河合美智子)が人気を博し、オーロラ輝子として1997年のNHK紅白歌合戦に出場するなど、「紅白が朝ドラヒットの一つの指標になる」と半澤さんは言う。

「『あまちゃん』や『虎に翼』など大ヒットを記録した朝ドラは、その年の紅白で特別コーナーが設けられるなど、何が今年1年を彩ったのかを振り返るうえで、新語・流行語大賞同様に、紅白が指標になることが多いです。それでいうと、ヒット作でも紅白で扱われるのは、前期の4~9月に放送される東京放送局の作品が多い…。

でも例外として、『あさが来た』(大阪放送局)は放送開始3カ月目だったにもかかわらず、初期からブームが起こり、紅白でも異例の特別コーナーが設けられていました。高い人気を印象づけ、翌年の流行語大賞のノミネートにも繋がりました」

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