・マジでうまい
どちらも食べたことのない饅頭だ。1度も岡山に行ったことが無いし、知人にも関係者が一人もいないからなぁ。
どれどれ……。
あっ!?
あー、大手まんぢゅうってこれか! 失敬。子供の頃に食べたことありましたわ。めっちゃ皮が薄い饅頭ね! 恐らく何かで土産に貰ったとかだろう。おまえ、岡山銘菓だったのか!!
しかし藤戸まんぢゅうは本当に初めてだ。皮が薄いとか言うレベルじゃねぇぞ。もう透明じゃん。断面はこんな感じ。
食べてみると、大手まんぢゅうはサラッとした質感の餡で、素直な甘さがある。麹由来だろうか。わずかに酒っぽい香りがあるが、極めて稀薄だ。
皮は厚い(この局地基準)が、ソフトで存在感はそんなにない。食べた際に得られる感覚の90%は餡由来。ほとんど餡の塊だが、小ぶりなサイズゆえに甘ったるくない。
そして餡の質がいい! 甘さ、食感、ほぐれ具合。どこをとってもよくできている。こいつが餡だけで他の饅頭との勝負を制し、岡山銘菓の最前線で戦い続けていると言われても疑問は無い。
特別に目をひく特徴・あるいは癖のようなものを有する派手な餡ではないのだ。いろんな要素がちょっとずつ優れているように思う。
色々食べて、やっぱりこれだよなぁというような。定期的に戻りたくなる感じの居心地の良さのある餡とでも言おうか。お茶ともよく合うだろう。
4個入り390円という価格も手頃で、22日に買った個体の賞味期限が27日までで、贈り物としても十分な程度に日持ちするのも便利だ。土産として優秀。
対する藤戸まんぢゅうは、皮も餡も特徴がすごい! この両者、全く別物である。
ビジュアル的には皮の厚さしか差がない。しかし100人に目隠しして食べさせても、100人が別物だと正解できそうなくらい味が違う。
まずは透けている皮について。確かに薄いが、しかし大手より硬さがある。フィルムのようなつるりとした質感と共に硬質な皮が食感に彩りをもたらす。
餡もただの餡ではない。酒精由来の酸味と甘みが、その独特の香りと共に前に出てくるぞ!
総合的には大手と同じくらいの甘さ。しかし私の感覚だと、甘みを構成する要素が複雑で、砂糖由来の甘みの勢いは、そこまでではないように感じた。
論理的に考えて、万人ウケ間違いなしなのは、大手まんぢゅうだ! 日持ちの問題で贈り物にするにも大手。しかし、私は藤戸まんぢゅうの方が絶対的に好みだ。
なおこちらは5個入り500円で、21日に入荷したものを購入したはずだが、賞味期限は22日だった。岡山からの輸送に半日だか1日だかを要している可能性があり、現地で買っても賞味期限は2~3日程度ではないかと考えられる。贈り物にするなら、即渡せて即食べてもらえる相手に限られるだろう。
ということで、都民が出待ちする岡山銘菓。出したら即日で売り切れる饅頭は伊達では無かった……! 大手か藤戸かで意見が分かれるところだろう。私は藤戸派。
参考リンク:とっとり・おかやま新橋館
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
