俳優の片岡凜と田牧そらが、12月1日に都内で開催された映画「この本を盗む者は」ジャパンプレミアに、声優の東山奈央、伊藤静、土屋神葉、そして監督の福岡大生氏、キャラクターデザイン／作画監督の黒澤桂子氏と共に登壇。初めての声優挑戦の感想や現場でのエピソードなどを語った。
■“本の世界”を旅する謎解き冒険ファンタジー
本作は、「2021年本屋大賞」にもノミネートされた深緑野分氏による同名小説を原作とする、2人の少女が“本の世界”を旅する謎解き冒険ファンタジー。片岡は、書物の街・読長町に住む“本嫌い”の高校生・御倉深冬役、田牧は深冬を物語の世界に誘う謎の少女・真白役で、それぞれこれが声優初挑戦となる。
映画初主演で初めてのアフレコに挑んだ感想を、片岡は「初めてのこと尽くしでした。収録は本当に毎日新しい挑戦で、新鮮さがあり、もちろん難しい部分もあったんですけど、とにかくワクワクが止まらなくて、日々学ばせていただきました」と述懐。
実写での演技との違いについては「普段(実写)は美術の方が作ってくださる現場のセットの中で、空気感が出来上がっているところに役として入り込んでいくんですけど、アニメは絵の中にどれだけ自分の力で入り込めるか、というのが勝負なんだなと。そこが一番違いを感じました」と分析した。
一方、同じく声優初挑戦の田牧は「私もすごく楽しくて、もともと声優のお仕事にすごく興味があったので、アフレコってこんな感じなんだ！と、本当にワクワクしていました」とした上で、「台本と映像を見ながらのお芝居がすごく難しくて、やっぱりプロの声優さんってすごいなぁって思いながらやっていました」とピュアな感想を漏らすと、登壇していた“プロの声優”たちは柔和な笑みを浮かべた。
また、アフレコ中はずっと一緒だったという片岡と田牧。現場で印象に残っているエピソードを求められると、「やっぱり壁ドンですかね(笑)」と声をそろえる。
その件について、片岡は「真白ちゃんがカッコいいお声を出すシーンがあったんですけど、そのときに監督からのご提案で、実際に(真白役の田牧が)私に壁ドンをして声を出してみてください、と。本当に壁ドンしていただいて」と振り返ると、田牧は「やらせていただきました(笑)。なんかすごくカッコいい感じがつかめた気がして…。楽しかったです」とニッコリ。
それを受け、福岡監督は「実際にやってみたほうがいいかなと思ってお願いしてみたら思いのほか、カッコいい真白が出来上がってしまって(笑)」と、田牧が予想以上のものを出してくれたと証言した。
■片岡＆田牧がプロの声優陣に質問
そんな中、片岡と田牧から登壇の声優陣に聞いてみたいことを質問する場面も。収録中におなかが鳴ってしまうことがあって大変だったという片岡からは、「収録するときの勝負飯はありますか？」という質問が。
伊藤は「私は一口羊羹みたいなものを持って行って食べる。腹持ちもいいし、甘いし、ちょっと幸せになれる(笑)」と答え、東山は「プロテインを飲んでいて、シェイカーに粉だけ最初に入れておいて、スタジオに水はあるのでその水で溶かして飲むと腹持ちもいいですし、タンパク質も摂れるのでよくやっています」とどちらも手軽に空腹を満たせるものを明かす。
それを聞いた片岡は「私も前プロテインをよく飲んでいました。それを収録のときに聞けたら良かった～！(笑)」と後悔しきり。
ちなみに田牧もほぼ同じ内容のことが聞きたかったそうで「私もすごく気になっていたので聞けてうれしいです！」と話すと、土屋は「僕はアフレコ中は食べない派で、アフレコ前にガッツリ食べるんですけど、オススメの朝食は馬刺し。“叫び”のある仕事でも馬刺しを食べているとめっちゃ叫べるし、喉も腫れにくい。他の肉では胃もたれしちゃうこともあるんですけど、馬刺しはスッキリしているし、持続力もあるので頑張りたいときにオススメです」と付け加え、片岡と田牧は「いいことを聞けました。ありがとうございます」と、笑顔で感謝していた。
映画「この本を盗む者は」は、12月26日(金)より全国公開。
◆取材・文＝月島勝利(STABLENT)
