・空気感の良さ
私がそう感じたのは選手の力量もさることながら「観客の参加するぞ感」が強かったことが大きい。この日、新宿FACEにいた観客の多くは「プロレスを観に来た」というより「アップタウンに参加しに来た」という感覚ではなかっただろうか?
ポイントポイントで起こるコールもそう、選手の動きと連動した掛け声もそう。決して広くはない新宿FACEの隅々まで、お客さんたちの「参加するぞ感」があふれていたのが最も印象的だ。
なお、メインイベントの「黒潮TOKYOジャパン vs 征矢学」は……
やっぱり黒潮が全然リングインしねェェエエエエ!
1曲どころか2曲目でも入場しNEEEEEEEE!!!!!
3回目でやっと入ったと思ったら……
次は試合が始まらねぇぇぇえええええ!!!!!
ほぼ何もしてないのに「試合時間5分経過」には笑った。
実はこの日、私は小学3年生の娘を連れていたのだが、娘も黒潮TOKYOジャパンの入場には「ああ! また入らない!!」と釘付けになっていた。プロレス初見の小学生すら手のひらで操ってしまう黒潮TOKYOジャパン、恐るべし。
※ 余談ですが娘は「水攻撃」と、ブレーンバスターなどの投げ技が怖かったようです。帰宅後は母や祖母に黒潮TOKYOジャパンの入場をYouTubeで見せていました。
メインイベントは筋肉隆々の実力者・征矢学に引っ張られ、黒潮TOKYOジャパンの実力が一瞬垣間見えた……気がする。
黒潮TOKYOジャパンの運動能力及びにプロレス脳が高いことはわかっていたが、それを改めて試合で確認できたことは推し活の一環として良かった。じゃないとWWEには行けないよねぇ~。
・MVPは観客
結果的に老害プロレスファンでもおよそ2時間半の興行を楽しむことが出来たし、その間「今のプロレスはけしからん!」と感じることは1度も無かった。
無論、私の苦手な「選手の会話」や「パチン」も多くあったが、それを自然と受け入れられたのはアップタウンに参加してる観客たちの空気感が非常に大きい。
彼らがそれらを受け入れているどころか望んでいるのであれば、老害である私がヤイヤイ言うことではないからだ。むしろ決して広くはない新宿FACE級の会場では有意義なテクニックなのかもしれない。
というわけで、老害プロレスファンでも会場に足を運びさえすればきっとプロレスを楽しめるハズ。しばらく生観戦していない方は、どこかの会場へ足を運んでみてはいかがだろうか?
【告知】プロレスリングアップタウンは12.27と12.28の土日、新宿FACEで2連戦を開催するとのこと。初日は鈴木みのるがタイトルマッチやるってよ! 翌日はその勝者と黒潮が戦うってよ!! チケットはこちらからどうぞ。
取材協力:プロレスリングアップタウン(公式X)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
