・容赦ないストーリー
さて、私がこの漫画を読んで真っ先に思い出したのが『闇金ウシジマくん』だ。中でも個人的にもっともキツかったエピソード『ホストくん』編を強く想起した。
居場所のない少女がホストにハマり、担当をナンバーワンにするため借金まみれになっていくという地獄のような話。特に終盤は目を覆いたくなるほど悲惨だが、本作の胸糞レベルはあれ以上か。
実はハッピーエンド寄りのエピソードも少なくない『ウシジマくん』に対し(『フリーターくん』編など)、『みいちゃんと山田さん』には現時点で救いが一切ない。というより、第1話の1ページ目からすでに最悪な未来が確定してしまっている。
最新26話まですべて目を通したが、大げさでも何でもなく、『ホストくん』編の終盤が永遠に続いているような感じなのだ。読み進めれば読み進めるほどに辛くなり、もうやめてあげてくれと懇願したくなる。
絵柄が柔らかく可愛らしいのもまたキツイ。みいちゃんは21歳の設定で、最初の数話はそれなりに年相応に見えるのだが、回を重ねるにつれて顔つきも体型もどんどん幼くなっていく。
私(あひるねこ)の目には、今の みいちゃんはもはや女児にしか見えない。『ウシジマくん』のように写実的に生々しく描かれるよりも、こちらの方がより心にくるものがある。
・圧倒的無力感
女の子が過酷な目に遭う近年の作品としては、少年ジャンプ+の『タコピーの原罪』や、ヤングマガジンの『ねずみの初恋』などが挙げられるだろう。
しかし、宇宙人が出てくる『タコピーの原罪』や主人公が殺し屋の『ねずみの初恋』と違って、『みいちゃんと山田さん』にはもっと現実的で社会的な問題が横たわっている。
助けようにも、本人が積極的にその環境から脱しようとしない。自分の現状を理解しようとしないし、そもそも理解ができない。救いがないし、救えない。
一体なぜこんな残酷な漫画が、こんなにも日本中で読まれているのだろう? 創作物として割り切るにはあまりにも苛烈な作品である。
だが、それでも、どうしても続きが気になってしまう。続きを読まずにはいられない。底なし沼のような中毒性が、この作品にはあるのだ。漫画としての圧倒的な読みやすさも、その人気の一端に寄与しているのかもしれない。
今回、私は「マガポケ」に課金してまで全話読んでしまった。もちろん最後まで追うつもりだが、ハッキリ言ってまったくオススメしません。読んでも楽しい気分には一切なりません。私が保証します。
なので閲覧は各自、自己責任でよろしくお願いします。落ち込んでいる時に読むとさらに落ち込み、元気な時に読むと読んだことを後悔するのでくれぐれもご注意を。いいですか? 忠告はしましたよ。
参考リンク:マガポケ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:マガポケ(iOS)
