
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
【画像】え…っ! 「めっちゃいい笑顔」「おトキちゃん可愛い」 コチラが『ばけばけ』の「熊本編」のポスターです
松江にいたのは1年ちょっと
2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。
※この記事では『ばけばけ』のネタバレに触れています。
第10週では主人公「松野トキ(演:高石あかり)」の未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が、松江の冬のあまりの寒さに苦しんでいる場面が描かれています。47話ではついに倒れ、気管支カタル(気管支炎)になってしまいました。
ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーンさんは、1891年1月中旬、松江を襲った大寒波によって気管支カタルに罹ってしまった記録があります。幼少期はアイルランドで過ごしたものの、1878年からはアメリカ南部のニューオーリンズに住み、1887年からの2年間は西インド諸島の仏領マルティニーク島に住んでいたハーンさんは、すっかり温暖な気候になれてしまい、寒さへの耐性を失っていたようです。
そして、ハーンさんは1891年11月に熊本大学の前身である第五高等中学校(後の第五高等学校)に英語教師として赴任しました。ハーンさんと言えば松江というイメージがありますが、暮らしていたのはわずか443日間です。松江の寒さに耐えかねて、移住したとも言われています。
『ばけばけ』公式サイトにある第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」の51話のあらすじを見ると、新年会で挨拶をふられたヘブンが、「ツギ、フユ、ワタシ、マツエ、イナイ」と宣言するそうです。
公式サイトや番組X(旧:Twitter)では、9月の段階ですでに『ばけばけ』の「熊本編」のご当地ポスタービジュアルも発表されています。OPクレジットと同じく、撮影を川島小鳥さんが担当したトキとヘブンの笑顔の写真が使われており、宮崎県出身の高石あかりさんの身近な場所・熊本が舞台になることへの、喜びのコメントも添えられていました。
ハーンさんと小泉セツさんは、熊本移住前の1891年8月頃に夫婦になったと言われています。『ばけばけ』ではこれから病気で弱っているヘブンをトキが看病する展開となり、距離も縮まりそうです。トキとヘブンが結ばれる日がいつやってくるのか、楽しみに待ちましょう。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)
