人は温かい対話で成長する
——主人公の桜遥は、人との距離感をうまく取れず他人に頼ることが苦手です。八木さんにはそういう時期ありましたか?
原作を読んでいるときは、桜にすごく感情移入していました。似ているわけじゃないですけど”理解できるな”と思って。頼るのって、なかなか難しいですよね。桜は、何でも自分でやろうとして”助けなんているか!”みたいな感じで、どことなく完璧主義の匂いがする。そういったところに共感したのもあって、「WIND BREAKER」にハマりました。
周りのみんながすごく優しいじゃないですか。防風鈴の仲間も「頼って」「人のことを信じてもいいんだよ」と言ってくれるし、商店街の皆さんにも愛がある。そういうとても温かいものが根底にある作品だと思っています。アクションシーンも、もちろんかっこよかったんですけど、そこでも「ケンカは対話だ」というセリフがあって、道徳的なメッセージを秘めています。みんながどんどん1つになっていき、桜も、みんなも成長していくんですよね。
——この作品では、拳で闘うのもご飯を食べるのもコミュニケーションですからね。
そうなんです。この作品は、ずっと人の成長も描いています。だから”ヤンキーもの”って捉えられるよりは”ヒーローもの”であって、観終わったら、とても温かい気持ちになって帰ってもらえると思います。
観客の皆さんもきっと感情移入できる人物がいて、”人をもっと信じたり、頼ったりしていいんだ”とか、”人の心ってこんなにも温かいものなんだ”ということを、この映画を通して再度、実感してもらえたら嬉しいなと思います。
取材・文 / 小倉靖史
撮影 / 岡本英理
ヘアメイク:本岡明浩 / スタイリスト:Shohei Kashima(W)
映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』
ケンカだけが取り柄の孤独な高校生・桜遥。不良の巣窟と恐れられる風鈴高校のてっぺんをとるため街にやってくるも、生徒たちは<防風鈴=ウィンドブレイカー>と呼ばれ、街を守る存在へと変貌を遂げていた―桜は戸惑いながらも防風鈴のメンバーとして、仲間と共に街を守るための戦いに身を投じていく!そんな中、街を脅かすある存在が、防風鈴を新たな標的として動き出していた‥‥。
監督:萩原健太郎
出演:水上恒司、木戸大聖、八木莉可子、綱啓永、JUNON(BE:FIRST)、中沢元紀、曽田陵介、萩原護、髙橋里恩、山下幸輝、濱尾ノリタカ、上杉柊平
配給:ワーナー・ブラザース映画
©にいさとる/講談社 ©2025「WIND BREAKER」製作委員会
2025年12月5日(金) 公開
公式サイト wb-movie
