今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のトップ10が12月1日に発表され、年間大賞には、高市早苗首相が10月に自民党総裁に選ばれた直後に述べた「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれた。だがこの選考には、多くの異論が出ている。すなわち、
「普段、この言葉を使っている人はいない」
「大手生命保険グループにスポンサーが代わって、政権に忖度しすぎだ」
というものだ。
同じ「働く」をキーワードにするなら、石川啄木の短歌の方が、多くの国民の気持ちに合致するのではないか。
「本当にみんなが使った流行語じゃなきゃダメなんじゃねいですか」(カズレーザー)
「高市首相の言葉、さほど流行したとは思えない。高支持率の首相に反対するわけにはいかないという、嫌な空気が今の日本では支配している」(元東京都知事・舛添要一氏)
むしろトップ10入りした「クマ被害」「国宝」の方が、身近で今年らしい。高市首相は発表・表彰式に登壇し、
「決して多くの国民の皆さまに、働きすぎを奨励するような意図はございません。そこはどうか誤解のなきようにお願いします」
しかし国民の多くが感じているのは「働きすぎ」ではない。働いても社会保険料が高すぎることと、いくら働いても物価の上昇で手取りが増えないことだ。やはり国民生活の実情は、啄木の有名な短歌に近い。
「はたらけどはたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る」
(健田ミナミ)

