衆院議員の定数1割削減をめぐり、自民党と日本維新の会が12月1日の協議で、削減の内訳を小選挙区25、比例代表20、期限は1年とすると、
「なぜ1割なのか、なぜ1年なのか。根拠をちゃんと聞かせてもらわないといけない」
そう言って定数の1割を減らすことに疑問を投げかけたのは、立憲民主党の安住淳幹事長である。
その安住氏は11月30日の埼玉県東松山市での講演で、こう批判している。
「民主主義の全体を考えると、少数政党を狙い撃ちして、50削減するという法案に私たちはくみしない」
与党が比例代表のみを対象とする関連法案を国会に提出した場合は、
「対案をぶつけて、選挙区と比例とバランスのいい削減の仕方を考えようと提案する」
と明言していた。
もっとも与党側は、立憲民主党の野田佳彦代表がかつて45議席の定数削減に言及していたため、それを取り入れたとしており、すでに安住氏の疑問に答えている。「対案をぶつける」という威勢のよさはどこへやら、だ。
安住氏は国会対策委員長時代、特定の新聞記事に「花丸」や「クズ」「出入り禁止」と威勢よく書き込んだ紙面を国会内に貼り出したものの、批判を浴びて謝罪に追い込まれた「ブーメラン政治家」として知られる。
与党が小選挙区削減までは踏み込めないと高をくくり、「民主主義の全体を考える」と高尚な発言をしたものの、しどろもどろになってしまった。やはり相手を批判する時はより慎重であるべきだという「ブーメラン」の教訓を、またまた提供してしまった。懲りない政治家である。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

