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「ピンチをチャンスに変えた」 不祥事が続いた『ゴジュウジャー』の役者交代でファンが生き返ったワケ

「ピンチをチャンスに変えた」 不祥事が続いた『ゴジュウジャー』の役者交代でファンが生き返ったワケ


『ゴジュウジャー』の「一河角乃」を演じる志田こはくさんのプロフィール写真

【画像】えっ!「かわいい」「楽しみすぎる」 これが『ゴジュウジャー』に登場した志田こはくさんの姿です

『ドンブラザーズ』での実績がファンを勇気づけた?

 2025年11月30日に放送された『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』第40話「恐怖莫大! お化け屋敷でリボンは笑う」は、多くの特撮ファンが注目することになりました。それは、番組出演者に関する不祥事を経て、「一河角乃(いちかわ すみの)」こと「ゴジュウユニコーン」の演者が変更になったからです。

 事前に公式発表された新しい角乃役は、志田こはくさんでした。志田さんは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)で「鬼頭(きとう)はるか」こと「オニシスター」を演じた女優です。近年の特撮番組を見ているファンには、おなじみの女優といえるでしょう。

 この『ドンブラザーズ』での1年間にも及ぶ演技は一部のファンには絶賛されており、今回の役者交代にもおおむね好意的な意見が寄せられていました。そのため、役者交代に関して不安に思った人は少なかったと考えられ、むしろ放送を心待ちにしていた人が多かったと思います。かくいう筆者もワクワクして放送まで待機していました。

 企画当初は「想定外」だった役者変更に関して、劇中でどう表現するのかに注目が集まっていましたが、「潜入捜査で顔と声を変えたが、元に戻らなくなった」という設定で乗り切ります。ここでの志田さんの演技は最高で、「鬼カワイイ」と『ドンブラザーズ』を彷彿するネタを披露、そこからユニコーンの一本角へと切り替えました。

 このカットはファンも大絶賛だったようで、XをはじめとするSNSでは書き込みがあいつぎます。最大のピンチをネタとして消化して笑いを取ったスタッフ一同に、筆者も頭が下がる思いでした。この見事な演出で、ファンがそれまで抱いていた作品に対する不安要素が一掃された印象を受けました。

 その後も志田さんの演技はキレキレで、30分がアッという間でした。今回の物語自体は重い感じでラストを迎えましたが、志田さんの演技が絶妙で、来週も楽しく放送を観られそうです。


変身後のゴジュウユニコーンを立体化した「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー アクションヒーロー ゴジュウユニコーン」(バンダイ)

役者交代が生んだ思わぬサプライズも

 今回の役者交代劇により、思わぬ「副産物」ともいうべき展開もありました。それは、オープニング映像が、追加戦士の「熊手真白(くまでましろ)」こと「ゴジュウポーラー」を含めた6人によるものになったことです。

 これまでのスーパー戦隊で、追加戦士は最初から登場していた戦士と違って遅れて登場するため、ちょっと不自然な立ち位置になることが普通でした。しかし今回はあらためて志田さんを含めた6人でオープニング映像を新規で撮ったことで、最初からいるような自然な立ち位置になっています。

 このオープニング映像を新規で撮影した点も、スタッフの本気度が伝わってきた部分でしょう。こうしたスタッフの努力は、ファンや視聴者に本放送でしか得られない「ライブ感」を与えてくれたと思います。

 「スーパー戦隊終了」報道と、『ゴジュウジャー』に関する不祥事の報道があいつぎ、この第40話の放送前までは、戦隊シリーズ最後の作品がどうなるのか暗い気持ちだったファンも少なくなかったでしょう。ところが一転して先に希望が持てる雰囲気になりました。話数は残り少なくなってきましたが、楽しんで視聴を続けようという気持ちを思い出させる、「逆転の一手」となったのは間違いないでしょう。

配信元: マグミクス

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