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『ばけばけ』三味線の場面が話題のタエ様 モデルの小泉チエは腕前が凄すぎて「路上バトル」してたらしい

『ばけばけ』三味線の場面が話題のタエ様 モデルの小泉チエは腕前が凄すぎて「路上バトル」してたらしい


雨清水タエ役を演じる北川景子さん(2018年12月、時事)

【画像】え、北川景子級? コチラが「松江随一の美女」と言われた実母を持つ、実際の小泉セツさんの姿です

3年も続けてた?

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 第10週47話では、未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」の女中として働く主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、彼の執筆中に三味線を弾く場面が描かれました。名家出身の実母「雨清水タエ(北川景子)」から、再び武家の娘のたしなみとして三味線や生け花を習った彼女は、見事な腕前を披露しています。SNSでは、タエの教える能力も話題になっていました。

 タエのモデルである小泉チエさんは、松江藩家老の塩見家の娘として茶道、生け花、三味線の腕に秀でており、大の読書家でもあったそうです。なかでも三味線に関しては、「玄人跣(くろうとはだし:素人が技芸や学問などに関して専門家が驚くほどすぐれていること)」の実力を持っていたといいます。

 松江にはチエさんに三味線で敵う人はいなかったようで、八雲さんとセツさんの長男・小泉一雄さんの著書『父小泉八雲』には、彼女に関する驚きの逸話も載っていました。

 明確な時期は不明ですが、それはまだチエさんの夫・湊さん(1887年死去)が存命だった頃のことだそうです。松江では1882年頃から、天長節(天皇の誕生を祝う日、明治時代は11月3日)の日に「天長祭り」という祭りがおこなわれており、深夜12時に日付が変わる時報の鐘が鳴ってから、繁華街を中心に夜通しでさまざまな催し物が行われていたといいます。

 この祭りに興味があったチエさんは、三味線を持ってお高祖頭巾(江戸~明治時代に流行った女性の防寒用の被り物)で顔を隠し、長男の氏太郎さん(後に出奔)とこっそりと小泉邸を抜け出したそうです。

 そして、チエさんは道で三味線を持った人とすれ違うと、曲弾きの腕比べを挑みました。祭りには玄人の三味線弾きも多数来ていたそうですが、誰も彼女に敵わず、市中で噂になったといいます。

 チエさんは翌年も同じように天長祭りで三味線対決を楽しみ、正体もばれずに済んでいましたが、さすがに3年目になると誰かに帰り道をつけられたようで、謎のお高祖頭巾の三味線弾きは小泉家の奥方だと、騒がれてしまったそうです。

 そして、チエさんと氏太郎さんは当主の湊さんにこっぴどく叱られ、彼女の三味線は許可なく弾いてはならないと、倉庫の奥にしまわれたといいます。

 本筋とは関係ありませんし、タエのキャラがぶれてしまいそうですが、北川景子さんが上記のエピソードを演じていたら、かなり話題になっていたかもしれません。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『父小泉八雲』(著:小泉一雄/小山書店)、『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)

配信元: マグミクス

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