日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は冬場の家族団らんの象徴ともいえるあの暖房機器です。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
【漢字の由来と語源】
「炬燵(こたつ)」は日本の伝統的な暖房器具で、その原型は平安時代まで遡ります。当時は「囲炉裏(いろり)」の上に布をかけて暖を取る簡易的なものが主流でした。
これが室町時代頃に発展し、現在のこたつのような形(テーブル状の枠に布団をかけて下に熱源を置くもの)になりました。
言葉の成り立ちについては「火闥子(かたつ)」から変化したという説が有力です。「火(か)」+「闥(たつ、門や部屋の意味)」+「子(こ、子機や小さいもの)」で、「火を入れる小部屋」や「足を入れる火の部屋」という意味。古い文献では「火闥」として登場します。それが、 「炬燵」へと変化したようです。
ちなみに「炬(こ)」は火やたいまつを意味する漢字で、「燵(たつ)」は温める、暖を取るという意味がある中国由来の漢字です。つまり、「火で温めるもの」というイメージでこの2つの漢字が当てられたと考えられます。
【こたつに関する豆知識】
●初期の炬燵は移動式
昔の炬燵は、炭火を使って暖を取るものが主流だったため、移動できるものが多かったようです。
●炬燵は今や世界的人気
炬燵は日本独自の文化と思われがちですが、イランには「コルシ」、スペインには「ブラセロ」など、熱源の周りに集まって暖をとる似たような文化が他国にも存在します。特にコルシは形状もこたつに近いです。そのためか、炬燵はその暖かさとユニークな構造から、海外でも人気が高まっています。
●炬燵で寝ると風邪をひく?
炬燵で寝ると、脱水症状や低温やけどになる可能性があるため、注意が必要です。
●電気こたつの登場は昭和から
現代で一般的な電気こたつが普及し始めたのは、電気ヒーターが開発された昭和初期頃からです。それまでは炭や練炭を熱源としていましたが、電気化により手軽さと安全性が飛躍的に向上しました。
●省エネ効果が非常に高い
部屋全体を暖める暖房器具に比べ、炬燵は体の一部(主に下半身)だけを効率的に暖めるため、電力消費が少なく、非常に省エネ効果が高いとされています。
●意外と足の冷え性には不向きな面も
体を温める効果はありますが、足先が冷えやすい体質の人にとっては、足先だけが温まりすぎてかえって血液循環が悪くなり、冷えを感じてしまうことがあるそう。適度な温度設定と、時々足を出すなどの工夫が必要です。
