参加者に生まれた前向きな変化

これまでに参加したママたちからは、メンタリングを通じて得られた手応えがいくつも届いています。多くの方が口にするのは、「自分の力が人の役に立っていると実感できた」という声です。家事や育児の中で身についていく力は、社会の中でどのくらい通用するのか分かりにくいものですが、実際に誰かの悩みに寄り添い、前向きな変化につながった瞬間は大きな自信につながります。
また、普段の生活では出会わない人の話を聞くことで、自分自身の視野が広がったという声もあります。NPOの現場では、地域や社会課題に向き合う人たちの想いや葛藤が間近に感じられ、その姿勢に刺激を受けることも少なくありません。メンター同士がペアで活動する仕組みも特徴で、相手の進め方や言葉の選び方から学ぶことが多かったという意見が目立ちます。
定期的に誰かと話す機会ができたことで、自分自身の気持ちを振り返る時間になったという声も印象的です。育児中はどうしても自分のことを後回しにしてしまいがちですが、メンターとしての時間が“自分を見つめ直すきっかけ”として前向きに働く場面もあるようです。
こうした経験は、ママたちにとっても新しい成長の機会になっており、学びと気づきが連鎖する取り組みであることが伝わってきます。
NPO職員の9割が前向きな変化を実感し、受益者にも広がる効果

メンタリングを受けたNPO職員の多くが、活動に良い変化が生まれたと感じています。前年度の調査では、支援を受けた団体の満足度が100%、さらに9割が「今後の活動にポジティブな影響があった」と回答しました。日々の業務や悩みを整理することで、気持ちの余裕が生まれたり、次に踏み出すための視点が広がったりする効果が見られたようです。
また、この変化は職員自身だけにとどまりません。支援を必要とする受益者への対応にも良い影響が広がり、3000人を超える受益者にポジティブな変化が届けられたという結果も示されています。新しいアイデアが生まれ、活動が発展した事例や、企業からの協賛が得られるようになったケースもあり、現場の取り組みに新たな動きが生まれています。
職員の変化を可視化したデータでは、「自分の強みを認識できている度合い」が最も大きく向上しており、安心感や満足度も高まっていることが示されています。誰かに話を聞いてもらえることで、自分が積み重ねてきた経験や役割の価値に気づけるようになり、それが活動全体の前向きな空気につながっていると言えます。
メンタリングを通じて生まれた気づきや変化が、一団体に留まらず多くの人へ広がっていく。その連鎖が、支援者と受益者の双方に届いていることが、この取り組みの大きな成果になっています。
