エイドリアン・ニューウェイの来季チーム代表就任が話題をさらったアストンマーティンF1。ただクリスチャン・ホーナーがチームに加わるのではないかとの噂が燻り続けていたが、その可能性がないことがmotorsport.comの取材で分かった。
今季途中でレッドブルのチーム代表を電撃解任されたホーナーの去就はF1パドックの話題の中心となってきた。中でも最近はアストンマーティンに加入するのではないかと言われるようになり、アンディ・コーウェル代表がそれを否定したにもかかわらず、噂が沈静化することはなかった。
そしてホーナー加入説がまた一層盛り上がる契機となったのが、先日発表されたニューウェイのチーム代表就任のニュース。一見すると、ニューウェイが代表を務めることになればホーナーの入り込む余地はないようにも思えるが、ニューウェイがスポンサー対応やメディア対応、各種ミーティングやF1委員会への参加といった業務を全て担うことになるかという疑問が浮上。その流れで再び「ホーナーが上級職で加わるのではないか」という憶測が流れたのだ。
しかしながら、motorsport.comがカタールの現地で関係筋から得た情報によると、その可能性はないようだ。
話によると、チームオーナーであるローレンス・ストロールは、ニューウェイの代表就任を伝えるために水曜にアストンマーティンのファクトリーを訪れた際、スタッフにホーナーが加入しない旨を伝えたのだという。これはホーナーに関する一連の噂に終止符を打つ意図があったと見られる。
しかしながら、かといってチーム代表職がニューウェイ以外の人物に分担されないと決まったわけではない。天才デザイナーのニューウェイはあくまで2026年マシンの開発に集中する必要があり、業務の一部が経営陣内で分担される可能性は依然として高い。
かつて代表を務めたマイク・クラックも、今後ニューウェイと業務を分担する可能性のあるひとり。彼は既に一部のメディア業務を担当している。それに元マクラーレンのチーム代表、アンドレアス・ザイドルの名前も候補として挙がっている。
またニューウェイ本人はSky Sports F1に次のように語り、2026年からの代表就任がごく自然なステップであると主張している。
「序盤のレースにはすべて同行する予定だったので、実質的には仕事量は変わらない。だから他のこともできるということだ。もちろん、君たち(メディア)と話す必要は出てくるがね」
またニューウェイは、新たな業務がマシンデザインなどの自らの本業に支障を与えることはないだろうとしており、「それ(マシン設計)こそが私がしたいことであり、やらなくてはならないことだ。それが私を朝ベッドから起こす原動力になっている。だから、そこを希薄にしないようにすると決めている」とコメントしている。
一方のホーナーは、依然としてF1復帰の方法を模索しているとされる。理想はチーム代表以上の立場であり、できればチームの株式を保有することを望んでいる。しかしストロールは、アストンマーティンではそういったシナリオが実現しないことをハッキリと示した形だ。

