カウス「漫才は“間と呼吸”」
最後に挨拶に立った上方漫才協会会長の中田カウスは、こう語ります。
「僕らは若手のころは15分から20分。トリを務めていたころは20分から25分。アドリブで盛り上がったらそこを大事にしながら、お客さんの反応を見ながら、ネタが全然違う方向に行ったり、僕らも遊びの部分が楽しかったし、お客さんから見ても『遊んでるな』という、いい意味での“遊び”がなくなってきたのですかね」
そして「漫才はツッコミとボケで笑わすんじゃなく、“間と呼吸”」と続けると、エバースについて「ネタ作りもいいし、呼吸もいい。ああいうタイプの漫才がこれから生まれることを期待しています」と評価しました。

さらにカウス会長は、芸人としての心構えについてこう語りました。
「漫才師は“見せる”仕事ですから、ネタだけじゃなく、まず出てきたときの印象が大事。舞台袖からマイクに着くまでが勝負。顔つき、衣装、喋り方。漫才の喋りとは、もっと品があるものですから、そういうことをみんなに伝えていきたい。芸の最後に残るのは“品”ですよ」

そのほか会見では、上方漫才協会事務局長である吉本興業の奥谷達夫副社長、上方漫才協会文芸部部長である漫才作家の大池晶氏が、それぞれこう挨拶しました。
「なんばグランド花月が、完成した芸を楽しんでいただくエンターテインメントとするならば、若手の劇場である『よしもと漫才劇場』は育成段階、途上段階。そのステップも含めて応援していただける、そんなエンターテインメントではないかと考えています」(奥谷副社長)
「11年間、ずっと見てきていますが、ネタの発想がだんだんと変化し、展開もよくなり、ネタが高度化されてきました。来年は、チャンスがあれば時間制限のないネタのイベントもあっていいのかなと。そんなことを期待しながら来年も1年間、見ていきたいです」(大池氏)
