●EOS特需は「一般PC」で顕在化
――Windows 10 EOS後の市場状況をどう捉えていますか。
鈴木部長代理(以下、敬称略) PC市場は一般的にEOSで大きく伸びましたが、ゲーミングPCの伸びは全体よりも鈍化したといえます。ゲーミング層はリテラシーが高く、Windows 11へのアップグレードを既に済ませているケースが多かったため、EOSが強い買い替え動機にはなりづらかったのです。
――ゲーミングPCが伸び悩んだ要因は何でしょう。
鈴木 最大の要因は価格です。新しいGPUを搭載したモデルは以前の世代に比べて、約20%価格帯が上昇しており、かつて20万円を切ることもあったミドルレンジが今では25万円前後になっています。さらに、昨今の人気ゲームは「最高スペックでなくても十分動く」という傾向があり、EOSという観点では性能面での買い替え動機が弱かった。また、EOSよりも前に人気ゲームの発売があったという点で、先ほども申し上げたように既にWindows 11搭載PCの買い替えがあった。結果として、需要が盛り上がらなかったのだといえます。
●需要を起こす下取り・増額キャンペーン
――需要喚起に向けた施策は?
鈴木 家電量販店さんと連携し、下取り・増額キャンペーンなどの店頭施策を拡充しています。特にミドルレンジモデルのエントリー強化と合わせて、「手に届く価格×体験のアップグレード」を前面に出すことで、買い替えの背中を押す取り組みです。ゲーミングでは、エントリーモデルが売れているという手応えがあります。価格と体験のバランスが良いモデルの販売に力を入れていきます。

