
「彼の働きを全く評価しないファンがいるのは不公平だ」1年半ぶりアシストの久保建英に不満の声…ソシエダ番記者は“不当な批判”に苦言「見当違い。タケはバットマンではない」【現地発】
スペインには、不正と腐敗に満ちた政治の世界でよく使われる「中傷すれば何かしら残る」という格言がある。
タケ・クボ(久保建英)がレアル・ソシエダで置かれた立ち位置は、代表チームの活動で離脱と帰還を繰り返す出入りの激しさに対して反感を買われていた状態から、パフォーマンスに対する不当な批判が絶えない状態へと変化した。
過去のレポート記事で何度も記してきたように、足首の負傷が影響し、今シーズンここまでパフォーマンスを低下させている。しかし、彼の働きを全く評価しないチュリ・ウルディンのファンがいるのは不公平だ。確かに数字は味方していない。しかしサッカーには、記録以上に大きな貢献をしている選手はいくらでもいる。
まず検討すべきは、タケが最高のパフォーマンスを発揮できるポジションでプレーしているのかという問題だ。右サイドが主戦場の4―3-3のフォーメーションでは、ほぼ常にタッチライン際に張り付いているのが現状だ。アランブルのような守備的なSBとの選手と縦関係を汲んでいることもマイナスに作用し、後ろからのサポートが希薄で、パスを受けるのも足元ばかり。二重三重の守備網を敷く相手をドリブルで突破するという無理難題を押し付けられる結果となっている。
4-3-3を解体して、日本代表のように中央寄りでプレーさせることも、ドリブルから利き足でクロスを上げることができる逆サイドで試すこともない。前監督のイマノル・アルグアシルも現監督のセルヒオ・フランシスコも右ウイングに固定している。
多くの人が、ビジャレアル戦でのタケのプレーを批判した。試合はプレミアリーグ並みの激しさで、何が起こってもおかしくない展開だったが、終了間際のアディショナルタイム5分に両チームの選手たちの足の間を抜け、GKのレミロも防げなかったモレイロのエリア外からのシュートがネットを揺らし、アウェーチームが3-2で勝利した。
しかし、もう一度、タケのプレーを大まかに振り返ってみよう。彼はボールを要求し続け、隠れることも、足が震えることもなかった。追いかける展開でチームを背負う覚悟を見せ、プレスに奔走し、ファウルを受けても何度も立ち上がり、67分に対峙したペドラサに2枚目のイエローカードを引き出したが、審判は無視を決め込んだ。
60分には4人のDFの注意を引きつけて得点者のカルロス・ソレールをフリーにしたパスでアシストを記録した。それでも、彼のプレーに不満を示す者もいた。見当違いな人々には、タケがバットマンでもスパイダーマンでもないことをはっきり理解してもらいたい。
確かに上手くやろうという意識が強すぎて、しばしば性急になり、より良い選択肢があるにもかかわらずシュートを狙ったり、シュートすべき場面でクロスを上げたりすることも少なくない。とはいえタケはセンスの塊だ。原因はサッカー面にあるというよりも、自信と自尊心に関係しているように思われる。
また31分にボールを失い、必死の戻りからいったん奪い返したが、稚拙なクリアで再びビジャレアルに渡り、その後のペドラサの一瞬の裏抜けをケアする体力は残っていなかった。その折り返したボールをアジョセが押し込んだわけだが、問題は、誰が誰をマークすべきだったのかという点だ。定石通りならウイング(久保)がSB(ペドラサ)をマークすべきだが...。
攻撃の希望であるタケはトライにトライを重ね、前述したとおり61分にソレールに決定的なパスを供給し、その後、ペドロサが退場寸前にまで追い込むプレーを見せた。フランシスコ監督はタケに何かを見出し、左ウイングのゲデスを先に交代させ、85分までプレーした。
天才と名高いファンマ・リージョは、レアル・ソシエダを率いていた時も、記者会見で数々の名言を残した。その中に「サッカーにおける統計はTバックのようなものだ。多くを見せるが、最も重要な部分を隠してしまう」というものがある。
それは現在のタケをうまく言い当てているが、同時にラ・リーガで前回アシストを記録したのが、2024年5月16日まで遡らなければならないのは異常だ。これから得点数も含めて数字を伸ばしていけば、批判の声も収まるだろう。
とにもかくにもタケが光を見出し、アノエタで再び最も愛される選手になるために、あらゆる手段を尽くすべきだ。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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