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「まぁ、見とけ」闘志むき出しの松島幸太朗 4度目のW杯へ進化する32歳、“フェラーリの走り”で復調宣言【ラグビー】

「まぁ、見とけ」闘志むき出しの松島幸太朗 4度目のW杯へ進化する32歳、“フェラーリの走り”で復調宣言【ラグビー】

松島幸太朗が復調宣言だ。12月13日開幕のジャパンラグビーリーグワン1部の新シーズンへ、日本代表55キャップ(テストマッチ出場数)のフルバックが状態を上げている。

 東京サントリーサンゴリアスへおよそ2年ぶりに復帰して4度目となるオープニングマッチを目前にし、淡々と説く。
 「いまのところ、上手くいっている」

 地面にたたきつけられたスーパーボールのような走りが魅力。通算2度目のワールドカップとなった2019年の日本大会では5トライを挙げ、時の代表指揮官だったジェイミー・ジョセフから「フェラーリ」のようだと賞賛された。

 20年からの2年間はフランスのトップ14に加盟のクレルモン・オーヴェルニュへ挑戦。しなやかな走りに加え、空中および地上での衝突への意欲、耐性、そもそもの身体の強さを搭載した。23年には自らを鍛えたフランスの地で3度目のワールドカップを経験も、以後は納得のできない時間を過ごしてきた。

 要所で好カウンター、好キックを繰り出してはいたものの、常にアキレス腱の不調にさいなまれていた。「むちゃくちゃ痛くて、自分のプレーはできなかった」という感覚は拭えず、チームも徐々に順位を下げていた。

 しかし現在は、「アキレス腱自体の心配はないです」。組織的な連続攻撃を伝統とするサンゴリアスにあって、自身を光らせると同時に周りを光らせるための準備を進める。

 序盤に黒星が先行して6位に終わった前年度を受け、こう展望する。

「(昨季は)プレシーズンにやったことをシーズン中に出せなかった期間が長かった。(今季は)いまやっているものをシーズンで継続することをいま(開幕前)から(意識する)。誰が出てもサントリーのラグビーができることを(目指す)」

 大切にしたいのは、戦術上のポジションごとの役割の明確化だ。速いテンポでボールを繋ぎたいから、いつ何時でも然るべき布陣を作れるよう皆の頭をクリアにしたい。

「(各自の)役割というところがわかっていないと、フィールド上でどこに行く(立つ)かがわからないという状況が出てしまう。そうならないために、日ごろの練習からコミュニケーションを取る」
  桐蔭学園高3年時に全国大会で約100メートル独走トライを決めたのは概ね15年前。32歳となってからもなおトップアスリートとして活動する。身体との向き合い方も日ごとにアップデートしていた。

近年はプラズマメドベッドという、老化細胞を還元するリカバリー機器を頼る。好感触を得たことから、このカプセル型機器を使える店舗を北九州にオープンした。
 「僕が東京で(カプセルに)入ったら、すぐに(コンディション不良が)治った。いいなと思って、もともとは自分に買おうと思ったのですけど、せっかくなのでそれを(一般的に)広めたいなと。(都内は)すでに何店舗かあるのですが、九州にはまだお店としてはなかったので(開拓した)」

 よくなろうとすることをやめず、よくなるのに必要なことを人に伝える。その意味で期待されるのはフランス大会以来の代表復帰か。

 最近のナショナルチームが大幅に若返っているとあり、「僕のコントロール外。(現代表を)応援しています」と本人は控えめだ。

 もっとも、昨年にジャパンのエディー・ジョーンズヘッドコーチが「現実的に昨シーズン(取材時より前の23年度)のリーグワンの試合を見ていても、招集できるレベルにはない」と話していたのを知り、短文投稿サービスの「X」で「まぁ、見とけ」と書き込んだ。

その心は…。

「そのまんまです。言っていることが、(自分の認識と)違うな…」

 この調子で周囲を笑わせたのは、7カ月ほど前のことだった。当時よりも身体に不安のなくなった日本ラグビー史上有数の名選手は、まず、黄色いジャージィの15番として責任を全うする。その先の「コントロール外」のことを脇に置いたとしても、最高の自分を表現するつもりだ。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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配信元: THE DIGEST

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